日欧が太陽電池を共同開発、集光型で変換効率45%超を目指す

2011年5月31日 22:36

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新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と
欧州連合(欧州連合)が共同で実施する集光型太陽電池の開発プロジェクトに参加する産学官の研究機関

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と 欧州連合(欧州連合)が共同で実施する集光型太陽電池の開発プロジェクトに参加する産学官の研究機関[写真拡大]

 独立行政法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は31日、欧州連合(EU)と共同で実施する、セル変換効率が45%以上という集光型太陽電池の実現を目指したプロジェクトについて発表した。2014年度までの約4年間に、日本側が総額6.5億円、EU側が総額500万ユーロ(約6億円)程度の予算を投じ、計6カ国の産学官の研究機関が共同で技術開発を行う。

 同プロジェクトは、気候変動問題への対応とエネルギー安全保障の確保を目指して日欧が戦略的に連携するもの。セル変換効率が45%以上の集光型太陽電池の実現のために、新材料・新構造の開発、セル・モジュールの開発・評価、集光型太陽電池の測定技術に関する標準化活動などに取り組む。

 日本では豊田工業大学の山口真史教授を研究開発責任者とし、シャープ、大同特殊鋼、東京大学、産業技術総合研究所などが参加する。EUでは、マドリッド工科大学のアントニオ・ルケ教授(スペイン)を研究開発責任者として、フラウンホーファー太陽エネルギーシステム研究所(ドイツ)、インペリアルカレッジロンドン(イギリス)、イタリア新技術・エネルギー・環境庁(イタリア)、BSQソーラー(スペイン)、PSE(ドイツ)、CEA国家太陽エネルギー研究所(フランス)が参加する。

 NEDOによると、集光型太陽電池は、太陽光をレンズや鏡を使って小面積の太陽電池に集光することで高い変換効率を実現する太陽電池。小面積で済むことから、少ない材料で高効率に発電することができるメリットがある。現在、変換効率の向上とコスト低減に向けた技術開発が進められている。

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