中国経済の実態・進出事例から考えるこれからの中国ビジネス戦略:第3回 中国資本の影響力

2011年5月10日 11:35

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 企業も生き物で発展・衰退を繰り返すもの。発展するには投資資金を集める事が必要ですし、衰退の場面でも資金繰りに苦労することがあるもの。第1回・2回で中国の大きな人口と購買力などを見てきましたが、四川大地震やリーマンショック後の経済対策でも、国家的なM&Aでも強大な資金を投じて来た中国。今回は、その中国の資金力についてみてみましょう。

■四川大地震後の復興策と経済

 2011年3月11日の東日本大震災、被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。
火山が多いことから地震も起こりやすく、海に囲まれている為に津波も起きやすい日本。今回の東日本大震災では、この記事を執筆している2011年4月29日現在の発表によると、マグニチュード9.0で死者1万4300人、行方不明者1万5000人前後という規模でしたが、中国内陸部の四川省でも2008年5月12日に起きたマグニチュード8.0の大地震では死者約7万人、被災者累計4600万人超、倒壊家屋400万棟超だったとの事。

 今回の日本の地震は、地震そのものによって家屋や企業の設備が破壊されただけでなく、沿岸部では津波に押し流された事で被害が拡大した影響は大きなものの、被害額が16兆~25兆円ともいわれております。

 中国・四川大地震でも、復興資金が最終的に約8700億人民元(約11兆円)との試算もあり、同じ2008年の9月に起きたリーマンショック以降に、中国政府も地震再建資金以外に低所得者向けマンションや、鉄道などインフラもあわせたものながら4兆元(約50兆円)の景気対策を打ち出しました。

 中国は大変に広い中で、長距離鉄道やガス・水道などのインフラも含むとはいえ、上海市の2011年4月からの最低賃金1120人民元(約1万4000円)という賃金・物価水準を考えると、日本で考えた額面通りの50兆円相当という以上の経済対策であることはお分かり頂けるでしょう。

 日本でも、政府や日銀から景気対策や予算等が出されていますが、地震後の4月28日の日銀発表で、震災前は2011年実質GDP成長率の予測を1.6%と予想していたものを、0.6%に下方修正しています。

 中国でも、2007年の11.4%成長から2008年は9.6%と鈍化はしているものの、元々の成長率の高さもあるでしょうが、大地震と世界的な経済危機が同時に押し寄せた年でさえ、9.6%成長を出来るのも中国ならではかもしれません。

中国の景気対策の内訳

■中国から投資を募る、事業を売却する

 第2回で記しましたように、中国での日系企業はまだ採算に乗らないところが大変に多い状況。事業の撤退や売却をするところもあれば、逆に収益改善や、新規会社設立で進出をするよりブランドや流通網を早期に手に入れられる為に、事業買収をするというM&Aを行うことも多くなってきました。

 そこで、買収をする側にも、売却側にも便利な市場をご紹介したい。

 中国は元々が共産主義経済であった為、今でも国有企業が多いもの。民間の上場企業が証券市場で株式を売買するように、国有企業の資産を売却する場合に売買する市場として、省や北京・上海・大連など大型の市の単位で存在する「産権交易所」があります。扱われているものとして、国有企業の株式・土地・建物などだけでなく、民間企業の非上場株式・土地・建物などもあります。

 更には、その対象資産が中国国内にある必要さえなく、日本の高級旅館やゴルフ場の経営権、タイのリゾートホテルなども取扱われています。

 近年、景気回復局面といわれても、輸出による需要とリーマンショックで一度下げた株式などの資産が上昇したことによる収益向上などであり、上場企業以外にはなかなか景気が良くなったと感じる機会があまり無い方が多いでしょう。

 更に、東日本大震災での被災や消費自粛モード、電力使用抑制による生産抑制などが景気を抑制する可能性が高いですが、日本国内の中小企業が上場していなくても株や工作機械などを売却することや、経営権を中国企業に買ってもらうことも出来るかもしれません。

 中国に進出をしていない、拠点も日本国内のみの企業でも、中国資本活用の窓口となる市場です。勿論、逆にこの「産権交易所」で扱われている中国企業の経営権を買収することも可能です。

 この「産権交易所」の活用をできる窓口が日本にも1つだけ、「一般財団法人アジアビジネス再生支援機構」という団体があり、中国進出や撤退とあわせて、「産権交易所」についても、5月23日(月)は大阪・梅田センタービルで、25日(水)は東京・霞ヶ関ビルでセミナーが行われます。事前予約制ですので、ご興味の方は下記のリンクページから申込書をダウンロードの上、FAXでお早めにお申し込みください。

5月23日(月) 14:00~16:00 大阪・梅田センタービル9F アーバンベネフィット㈱ 会議室内
http://www.asia-saisei.org/pdf/semi_asia20110523osaka.pdf

5月25日(水) 14:00~16:00 東京・霞ヶ関ビル4F みらいコンサルティング㈱ 会議室内
http://www.asia-saisei.org/pdf/semi_asia20110525tokyo.pdf

著者プロフィール

今村 健太郎

今村 健太郎(いまむら・けんたろう) 株式会社ビジネス忠臣蔵 代表取締役、日本および中国ビジネスコンサルタント

経営戦略と人材活性、法務を柱に日本及び中国での事業運営を支援。創業・異分野進出・事業再生・海外進出まで、日・中の弁護士事務所とも連携をとりながら幅広くサポート。
執筆暦:雑誌『近代中小企業』コラム、『SMBC China Monthly』など
株式会社ビジネス忠臣蔵 Webサイト http://tyuushingura.jp

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