10-12月期のタブレット端末市場、iPadのシェアが73%:アップルの独走続く

2011年3月11日 18:10

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アップルの新型タブレット端末「iPad 2」

アップルの新型タブレット端末「iPad 2」[写真拡大]

 米調査会社IDCが10日発表したメディアタブレット、電子書籍リーダー市場の調査によると、2010年10-12月期のメディアタブレットの出荷台数は1,010万台で、7-9月期の450万台から2倍以上に拡大した。米アップルの「iPad」のシェアは7-9月期の93%から73%に低下したが、依然として圧倒的なシェアを保っている。

 電子書籍リーダー市場も、出荷台数が600万台を超え、7-9月期の2倍以上に拡大した。2010年通年では、出荷台数が前年比で4.25倍の1,280万台に達している。電子書籍リーダーへの関心が高まったことや価格の低下などが出荷台数の拡大に貢献しているという。

 IDCのLoren Loverde氏は「現在のペースで行くと、2011年のメディアタブレットの出荷台数はおよそ5,000万台に達する」との見通しを示している。

■地域別のメディアタブレット出荷台数
 地域別では、米国と西ヨーロッパ、日本を除いたアジア・太平洋地域で、10-12月期のメディアタブレット出荷台数の89%を占めたという。米国の出荷台数が最も大きいが、西ヨーロッパと日本を除いたアジア・太平洋地域での増加の勢いが増している。

■メディアタブレット主要ベンダーの動向
 ベンダー別では、初代iPadで強固な基盤を築いたアップルが今月には2代目となる「iPad 2」のリリースを予定しており、競合他社に先行している。より競争力の高いデバイスが今年に市場投入されると見られるが、IDCはアップルが70~80%のシェアを維持すると予想している。

 シェア17%で第2位の韓国・サムスン電子は7インチの「Galaxy Tab」を10-12月期に出荷開始したが、価格競争力の弱さや、アップルとの競合で需要が伸び悩んだ。

 サムスンは今年後半にAndroid 3.0(Honeycomb)を搭載した10インチのGalaxy Tabを発売する予定だが、今後他社の参入が増加する中でシェアを維持するのは困難だとIDCは予想している。

 IDCの定義では、「メディアタブレット」は、タブレット形状で5インチ~14インチのカラーディスプレイ、アップルの「iOS」やグーグルの「アンドロイド(Android)」などの“軽量”OSを搭載したデバイス。PC向けOSを搭載した「タブレットPC」と区別している。

■電子書籍リーダーのベンダー別シェア
 電子書籍リーダーでは、2010年通年のシェアでアマゾン(Amazon)が48%と首位を保っている。7-9月期にはシェアが40%を切っていたが、「Kindle 3」の投入でシェアを回復した。

 パンデジタル(Pandigital)は10-12月期にバーンズ・アンド・ノーブル(Barnes and Noble)を抜き、シェアが2位となった。2010年通年では、バーンズが僅差で上回っている。バーンズはカラー液晶を搭載し、リッチコンテンツをサポートする「NOOKcolor」の出荷を10-12月期に開始した。

 第4位は中国のハンボン(Hanvon)だった。同社の出荷の半分は中国向け。ソニーの「Sony Reader」は、10-12月期に出荷台数が80.7%増加し、2010年の出荷台数は80万台を超えた。

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