玄葉・「新しい公共」担当大臣の「補足説明」:果たして名言か!迷言か?

2010年12月9日 09:57

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

来年度予算の「特別枠」1.3兆円超をめぐって、政策コンテストが行われ、その判定結果が先日発表されたが、「評価会議」を主宰した玄葉・内閣府「新しい公共」担当大臣が3日、記者会見でその内容について「補足説明」をした。

来年度予算の「特別枠」1.3兆円超をめぐって、政策コンテストが行われ、その判定結果が先日発表されたが、「評価会議」を主宰した玄葉・内閣府「新しい公共」担当大臣が3日、記者会見でその内容について「補足説明」をした。[写真拡大]

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■予算組替えとは「『要求』を削り『要望』を認めること」と

  来年度予算の「特別枠」1.3兆円超をめぐって、政策コンテストが行われ、その判定結果が先日発表されたが、「評価会議」を主宰した玄葉・内閣府「新しい公共」担当大臣が3日、記者会見でその内容について「補足説明」をした。「特別枠」の合格ラインと目されるA,B認定が合計すると2兆円をはるかにオーバーしてしまうこと、それを1兆円近くカットすることは難しいのではないかと、記者に聞かれ、こう答えた。

  評価会議でA判定とB判定の事業を足すと2.2兆円になってしまって、あまりにも甘い査定ではないかという話が一部でありますが、B判定の事業は満額つくわけではない。A判定の事業も必ずしも満額とは限りませんが、B判定も条件付きが非常に多い。しかも、条件付きというのは要求を削った上で、B判定だということ。だから、要求が削られることが条件になるということが1つあるのと、要求が削られれば、その分特別枠要望に入るということもあるので、そのことは誤解のないようにしていきたい。私はトータルとしてはバランスがとれていると思っているし、1つの絵姿というか、わかりやすい相関関係が出ているのではないかと思う。要求を削って要望を認めるということは、すなわち組替えが更に進むということ。当該省の中の組替えだったりもするし、府省も超えてもそうだけれども、要求を削らなければ、B判定の事業の要望は認めないということだから、そういうことによって更に組替えが進むので、そこは誤解のないようにしていただきたいということです。

  民主党政権は、政権を担当する前から「予算を組み替えれば財源はいくらでも出てくる」と豪語してきた。「組替え」なるものが、どれ程のものなのか、さっぱり分からないが、予算編成というものは、限られた財源の中で、執行政策に優先順位と金額査定を施すことだ。予算の「伏魔殿」は「庁費」と「後年度負担」。庁費は各省庁の庶務費等で、これが相当な額に上る。後年度負担は多年度に亘って予算を執行する仕組みで、これが予算と財政を硬直化させている。30数兆円の税収で70兆円を超える予算を組む構造をこそ、根本的に改めなければならないわけだが、これを財政健全化などという甘い言葉で済ませてはいけない。行政の肥大化と過剰な公務員数に大胆にメスを入れるべき時が来ているといえよう。さて、玄葉大臣は焦点となっている「子供手当て」についてもこう付言した。

  0歳から3歳未満までについては月額2万円、つまりは7,000円を上積みするという方向でほぼ結論を得たと。財源確保はこれからですが、必ず恒久財源を確保します。その上で、なぜ0歳から3歳までかということで、実質手取額が0歳から3歳までは扶養控除と児童手当の問題で、つまり扶養控除廃止により児童手当時に比べ手取りが減ります。そういう意味で、実質手取額の逆転現象を生じさせないようにということもありますし、一般的に0歳から3歳のお子さんを持つ家庭というのは若い家庭が多くて所得も少ないということもあります。同時に、私自身のこだわりでもありますけれども、俗に言うM字カーブというのがあって、やっぱり子どもが産まれるとどうしても就労困難になるという実態が、残念ながら今の日本にはあります。そうすると、困りごとがどうしても多いのが0歳から3歳であるものですから、そういう意味で今回はまずは0歳から3歳未満に上積みの対象を絞ったということですので、補足させていただきたい。

  この「子供手当て」、社会全体で子供を育てると言う趣旨らしいが、子育てにそれほど困っていない人までに、乏しい予算の中から「支給」しなければならないものなのか。もっと他に、先にやらなければならにことが、沢山あると思うのだが。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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