WikiLeaks創設者のアサンジ氏、ロンドンで逮捕

2010年12月7日 22:33

印刷

ウィキリークスのスクリーンショット

ウィキリークスのスクリーンショット[写真拡大]

 英警察当局は7日、内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創設者で、強姦や性的暴行などの容疑でスウェーデン当局から逮捕状が出ていたジュリアン・アサンジ容疑者を逮捕したと発表した。

 同局によると、アサンジ容疑者は同日にロンドン市内の裁判所に出廷する予定。AP通信によると、裁判所の広報官は、同容疑者がスウェーデンへの引渡しに応じなければ、英国で再拘留されるか、同容疑者の引渡しについて裁判所から新たに判断が下されるまでは保釈される可能性が高いと述べたという。

 AP通信によると、アサンジ容疑者は容疑を否定している。同容疑者の弁護士は「合意の上だが避妊手段を行わない性交渉だった」と述べており、逮捕は政治的な意図によるものだと主張している。

 また、ウィキリークスの広報担当者は、今回の同容疑者の逮捕が報道の自由への攻撃であるとし、AP通信に対して、逮捕によって今後の機密書類の公開が妨げられることはないと述べたという。一方で、緊急事態に備えて支持者らに配布された機密情報ファイルの暗号を解除するキーは、ウィキリークスのスタッフに関係した「深刻な事態」が起こった場合にのみ公開すると述べたが、「深刻な事態」が何を意味するかは詳しく明かさなかったという。

 ウィキリークスは、米国の外交公電などを大量に暴露したことから、各国政府からの圧力が高まっていた。ウィキリークスはこれまでに、サイバー攻撃を受けたと発表しているほか、1日には、サーバーを提供していた米アマゾン・ドットコムがホスティングサービスを停止。3日にはウィキリークスが寄付集めに使っていたインターネット決済サービス「ペイパル」がアサンジ容疑者名義の口座を利用停止にしたと発表、6日にはスイスの郵政公社がアサンジ容疑者名義の口座を閉鎖したことを発表するなど「包囲網」が着実に強まっていた。

関連記事