売るべし買うべし休むべし=犬丸正寛の相場格言

2010年11月16日 10:12

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

株式相場はもちろんのこと、商店経営にしろ、会社経営にしても基本のところは、「売り」と「買い」の営みによって成り立っていることは言うまでもありませんが、「休む」ことも必要と説いています。

株式相場はもちろんのこと、商店経営にしろ、会社経営にしても基本のところは、「売り」と「買い」の営みによって成り立っていることは言うまでもありませんが、「休む」ことも必要と説いています。[写真拡大]

■売るべし買うべし休むべし

  株式相場はもちろんのこと、商店経営にしろ、会社経営にしても基本のところは、「売り」と「買い」の営みによって成り立っていることは言うまでもありませんが、「休む」ことも必要と説いています。

  出来高が急増し多くの人が強気になったと思われる時に有効な言葉です。この格言の言おうとするひとつには、相場においては相場の流れ・方向性、商売や経営では社会動向や景気の行方、もっと細かくいえば売れ筋商品や金利、為替のみとおしなど、分からない時は必ずあるもので、そういった時には商いから手を引いて休みなさいということを強調しています。

  もうひとつは、あまりにも、儲けることばかりに夢中になって、たとえば、最近のネット株式売買でのデイ・トレーダー(以下、デイトレ)のように売買中毒になってしまったら世の中が見えなくなり、人間の人間たる価値の根本である考えることを放棄してしまうことにもなりかねないからです。デイトレでお金は儲けたが、会合などで気の利いた話のひとつもできなくなり、結局は下ネタに終始し、極端な例では夫婦、家族の会話も乏しくなり家庭崩壊にさえつながりかねません。

  また、デイトレの場合でも、10戦中、9勝1敗であったとしてもその1敗によって、今までの儲けがすべて吹き飛んでしまう怖さがあります。1敗の負け方を小さくするためにも、時には休んで全体を見渡す余裕を持ちなさいと教えています。類似した格言に、『休むも相場なり』があります。ここでも、「休んで考える」ことの大切を強調しています。

  ビジネスマンの世界でも、昔は、額に汗して働いて休まないことが美徳でした。ちょっと喫茶店でコーヒーでも飲んで雑誌に目を通すことなどは、さぼっていると決めつけられたものです。豊かになった現在でも汗を流して働くことはもちろん大切ですが、それだけではだめです。競争も激しくなっていますから、汗を流すこと以上に知恵を出すことが大切になっています。それは企画であり、新製品のアイデイアであったり、新しい販売法だったりと、考えることによって出てくるアイディアが会社の命運を左右する可能性の強い時代です。まさしく、「売るべし買うべし」を基本として、セールスで売るべく努力し、ニーズにマッチしたものを買いつけに行ったりするなど、日常の努力は怠ることはできません。

  それと同時に、時には休んで、世の中の出来事を「なぜだろう」と考えることが大切だろうと思います。いいアイディアや企画は、「戦いの現場の中に埋もれている」ことがほとんどで、その埋もれているものが、「ちょっとした休息の時間の中から生まれてくる」からではないでしょうか。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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