米消費者のインフレ警戒強まる、3年4カ月ぶり高水準

2026年10月9日 15:25

 米国の消費者のインフレ警戒が9月に強まった。ニューヨーク連銀が7日発表した消費者期待調査によると、1年先の予想インフレ率の中央値は3.9%と8月の3.6%から0.3ポイント上昇し、2023年5月以来の高水準となった。

 米連邦準備制度理事会(FRB)は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.25ポイント引き上げ、3.75〜4.00%とした。インフレ率がFRBの2%目標を上回るなか、追加利上げの時期を見極めている。次回FOMCは10月27〜28日に開かれる。市場では10月会合での据え置きが優勢となっている。

 家計の支出増加に対する見通しも強まった。今後1年間の名目家計支出の伸び予想の中央値は前月から0.3ポイント上昇して5.5%となり、2023年5月以来の高水準を記録した。過去12カ月平均の5.0%も上回り、年齢層や学歴を問わず幅広く上昇した。

 一方、中長期のインフレ予想の上昇は限定的だった。3年先の予想インフレ率は3.2%から3.3%に上昇したが、5年先は3.0%で横ばいだった。

 日常的に購入する商品やサービスの価格上昇予想も強まった。1年先のガソリン価格の上昇率予想は4.6%から4.8%に、食品は5.3%から5.5%に上昇した。医療費は9.2%、家賃は6.8%を見込み、大学教育費は前月から1.4ポイント上昇して7.5%となった。

 足元でもエネルギー価格は上昇している。米労働統計局(BLS)によると、8月の消費者物価指数(CPI)でガソリン価格は季節調整済み前月比3.9%上昇し、燃料油は10.1%上昇した。

 電気・ガス料金を巡る負担増加への懸念も続く。消費者団体PowerLinesによると、米電力・ガス会社が2026年1〜9月に規制当局へ申請した料金引き上げ額は計231億ドルに達した。第3四半期だけで45億ドルと、同期間として過去最高だった。

 雇用を巡る消費者心理には改善もみられた。今後1年以内に失職する確率の平均は13.5%と2024年12月以来の低水準となり、失職した場合に新たな仕事を見つけられる確率は46.1%に上昇した。1年後に米失業率が現在より高くなると予想する確率も43.9%に低下した。

 ただ、家計の自身の財務状況に対する見方は悪化した。ニューヨーク連銀によると、1年前より家計状況が悪化したと答えた割合が増え、今後1年間でさらに悪化すると予想する回答も増加した。

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