ソニー、初代ウォークマンのヘッドホンをUSB-Cで復刻 「MDR-3R」11月20日発売

2026年11月7日 16:24

ソニーは2026年11月6日、初代ウォークマン付属ヘッドホンのデザインとサウンドを受け継ぐ「MDR-3R」を発表した。日本では11月20日発売予定で、市場推定価格は税込8,000円前後。USB-C接続に対応し、通話用マイクとリモコンを備える。

Netflixシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」とのコラボレーションモデルも同日に発売する。こちらはソニーストア限定・数量限定で、市場推定価格は税込10,000円前後となる。

■初代ウォークマンのデザインを継承

MDR-3Rの原点は、1979年7月に登場した初代ウォークマン「TPS-L2」に付属したヘッドホン「MDR-3L2」だ。ソニーは今回、MDR-3、MDR-3L1、MDR-3L2をまとめて「MDR-3」と呼んでいる。小型のプレーヤーと軽いヘッドホンの組み合わせは、音楽を屋外へ持ち出す体験を広げた。

MDR-3Rは、細いヘッドバンドや本体の形状を受け継ぎ、ブルーとオレンジの交換用イヤーパッドを同梱する。音を通すサウンドホールやロゴの加工にも当時の意匠を反映した。パッケージと取扱説明書にも、オリジナルを思わせるデザインを採用している。

本体の質量はケーブルを除いて約38g。ASCII.jpによると、MDR-3シリーズはいずれもケーブルを除いて約40gで、新モデルはそこから約2g軽くなった。ソニーは2026年11月時点の自社オーバーヘッド型ヘッドホンのラインアップで最軽量としている。

ウォークマンは、その後も長く携帯音楽の代表的な製品であり続けた。New York Timesの2010年の報道によると、同年3月までのウォークマンブランド製品の累計販売台数は4億台を超え、その半数以上がカセット式だった。MDR-3Rは、その時代の外観を現在のスマートフォンなどで使える形に仕立てた製品だ。

■USB-C接続とマイク付きリモコン

接続端子は、アナログのヘッドホンプラグからUSB-Cへ変更した。USB Audio Class 1.0に対応するスマートフォン、タブレット、PCなどと接続できる。ヘッドホン自体の充電やBluetoothのペアリングは不要で、ケーブルを差し込んで音楽や動画を楽しめる。

ケーブル長は約1.2mだ。ASCII.jpによると、初代ウォークマンに付属したMDR-3L2のケーブルは2mだった。携帯機器につないで使う際の取り回しも、オリジナルから変わっている。

ケーブル途中のリモコンには、再生・一時停止、曲送り、音量調節などの操作機能を備える。マイクを使ったハンズフリー通話にも対応する。ソニーは、接続先の機器、OS、アプリによって設定が必要になる場合や、一部の機能が動作しない場合があると案内している。

Lightning端子のiPhoneや、3.5mmのアナログ端子だけを備える機器には直接接続できない。また、ソニーはウォークマンとUSB-Cヘッドホンを接続して使うことを推奨していない。同社のサポート情報では、接続するヘッドホンによって音量を調節できない場合や、リモコン、音質設定などに制約が生じる場合があるとしている。

■23mmドライバーと開放型の構造

音を出すドライバーユニットは、オリジナルと同じ直径23mmだ。ソニーは当時の設計資料を参考に新たに設計し、元の製品に近い音質を目指したと説明している。Business Insider Japanによると、同社は元の音のバランスを踏襲しつつ、低音と高音の広がりやボーカルの表現を調整したという。

ヘッドホンで一般的に使われるダイナミック型は、磁石とボイスコイルを組み合わせ、振動板を動かして音を出す仕組みだ。23mm径は、40〜50mm径のドライバーを使う大型のオーバーイヤー型より小さく、コンパクトな耳載せ型の本体に収まる。

MDR-3Rは耳に載せて使うオープンエア型を採用する。開放型は音の抜けや広がりを得やすい一方、周囲の音が入りやすく、再生音も外へ漏れやすい構造だ。自宅などでの軽快な装着感を重視する使い方に向き、公共の場所では音量や周囲との距離に配慮したい。

ソニーは音作りについて、自然でバランスがよく、ボーカルの魅力を引き出すサウンドと説明している。レトロな外観に加え、軽さと有線接続の手軽さを組み合わせた設計が特徴となる。

環境面では、製品に使うプラスチックの約25%に再生プラスチックを採用したとソニーは公表している。個装パッケージもプラスチックを使わない仕様とした。パッケージに関する対象範囲からは、コーティングや接着に用いる材料を除く。

■ストレンジャー・シングス限定版も登場

「MDR-3R ストレンジャー・シングスエディション」は、登場人物マックスのヘッドホンスタイルと、作中の「裏側の世界」から着想を得たモデルだ。ブラックのヘッドバンドに作品ロゴを刻印し、交換用イヤーパッドにはレッドとブラックを採用する。専用パッケージも作品の世界観を反映した。

基本となる23mmドライバー、USB-C接続、マイク付きリモコンは通常モデルと共通する。通常版のブルーとオレンジに対し、限定版は作品を連想させる配色とロゴで選べる構成だ。

作品では、音楽を聴く行為が物語の重要な場面に登場する。Netflixが公開したシーズン4の解説では、仲間たちがマックスにヘッドホンを着け、ケイト・ブッシュの「Running Up That Hill」を流すことで、彼女がヴェクナから逃れる場面を紹介している。携帯音楽と登場人物の感情が結び付く場面は、今回のコラボレーションを楽しむ背景にもなる。

「ストレンジャー・シングス 未知の世界」は2016年7月15日に配信が始まり、2026年に10周年を迎えた。毎年11月6日の「ストレンジャー・シングス・デー」は、シーズン1でウィル・バイヤーズが失踪した1983年11月6日という作中の日付に由来する。

■有線ヘッドホンを再評価する動き

MDR-3Rの登場は、有線ヘッドホンの売上が回復する時期と重なる。調査会社Circanaが2026年2月に公表した米国市場の分析によると、有線ヘッドホンの売上高は5年連続の減少を経て、2025年に3%増加した。2025年7〜12月は10%増、2026年の最初の6週間は20%増だった。

ファッションの面でも、有線モデルは関心を集めてきた。Teen Vogueは2021年、同年10月に開設されたInstagramアカウント「Wired It Girls」を紹介し、有線イヤホンを身に着けた著名人らの写真を取り上げている。懐かしい機器の外観を、現在の装いに取り入れる動きの一例だ。

実用性を評価する声もある。音楽メディアMixmag MENAによると、SoundGuysの編集者クリス・トーマス氏は、同じ予算なら有線モデルの方が優れた音質を得やすいと指摘している。Guardianの取材では、New York誌の表紙で有線イヤホンを共有する著名人を撮影したハンナ・ラ・フォレット・ライアン氏が、有線回帰を「デジタル疲れの延長」と表現した。

メーカーの製品展開も続いている。Boseは2026年、USB-C接続の「Bose Noise Cancelling Wired Earbuds」を投入し、ノイズキャンセリングを有線モデルに組み込んだ。Appleも2023年から「EarPods(USB-C)」を提供している。MDR-3Rは、そうした有線製品の選択肢に、初代ウォークマン時代のデザインと軽い装着感を加える存在となる。

北米向けには、ソニーが11月5日に通常モデルの販売開始と限定版の予約受付を発表した。発表時の価格は通常版が59.99米ドル(約9480円)/99.99カナダドル(約1万1200円)、限定版が79.99米ドル(約1万2600円)/129.99カナダドル(約1万4600円)。通常版はソニー、Amazon、Best Buyなど、限定版はソニー、Netflix公式ショップ、Amazon USで取り扱うとしている。日本では両モデルとも11月20日の発売を予定している。

元記事: Sony MDR-3R: The 1979 Walkman Headphone Returns With USB-C

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