Uber、完全無人運転車を2026年末に約700台へ 2027年末は2,000台超を計画
2026年11月5日 19:19
Uberは11月4日に発表した2026年第3四半期決算で、同社のプラットフォーム上で稼働する完全無人運転車両を、2026年末に約700台、2027年末に2,000台超へ増やす見通しを示した。Zoox、Wayve、NVIDIA、Waymoなどとの提携を通じ、自動運転事業の商用展開を進める。
■台数目標と商用運行を重視
ダラ・コスロシャヒCEOは決算発表で、自動運転事業の重点が商用展開の実行に移ったと説明した。決算説明会では、2028年以降に数万台規模へ拡大することを目指すとも述べた。
Uberの公式資料によると、自動運転分野の提携先は25社を超える。Alphabet傘下のWaymo、Amazon傘下のZoox、英国のWayve、中国のBaidu、電気自動車メーカーのRivian、NVIDIAなど、車両や自動運転ソフトウェアを手掛ける企業が参加している。
各社が異なる車両や技術を開発する一方、Uberは利用者の需要を集め、配車や価格設定、運行支援、保険などの商用化を支える仕組みを提供する。同社は、既存の配車ネットワークを活用して車両の稼働率を高め、提携先の収益性を改善する戦略を掲げている。
■Zooxは11月にラスベガスで連携予定
コスロシャヒ氏は決算説明会で、Zooxの車両をUberから利用できるサービスを、2026年11月中にラスベガスで始める予定だと説明した。両社は3月11日に提携を発表しており、ロサンゼルスでは2027年半ばまでの展開を計画している。
この提携は、Zooxが第三者の配車プラットフォームと組む初の取り組みだ。対象となるUberの配車依頼でZooxの車両に割り当てられる仕組みで、Zoox自身のアプリを通じたサービスも併せて提供する計画となっている。
Zooxのロボタクシーは、既存の乗用車を改造した車両ではなく、配車サービス向けに専用設計されている。ハンドルやペダルを備えず、車体の前後を固定せずに両方向へ走行できる設計と、乗客同士が向かい合う座席配置を採用している。
■東京では日産リーフで試験運行へ
日本ではUber、Wayve、日産自動車が3月12日、ロボタクシーの開発・展開に向けた覚書の締結を発表した。関係当局との協議を進めながら、2026年後半に東京で試験運行を始めることを目指す、Uberにとって日本初の自動運転車パートナーシップである。
試験運行にはWayveの「AI Driver」を搭載した日産リーフを使用し、Uberのプラットフォームを通じて利用者と結び付ける。日産の発表によると、初期段階では訓練を受けたセーフティードライバーが同乗する。Uberはタクシー事業者との提携を通じて導入する計画だ。
Wayveは、実世界のデータから運転を学ぶエンドツーエンドAIを採用する。3社の発表によると、AI Driverは高精度地図を使用せず、新しい道路や都市環境に適応する能力を備えるという。交通量が多く道路構造も複雑な東京で、試験運行を通じて性能の向上を図る。
■NVIDIAとの展開は段階的に拡大
UberとNVIDIAは3月16日、提携の拡大を発表した。NVIDIAの自動運転ソフトウェア一式を用いる車両を、2027年前半にロサンゼルスとサンフランシスコで展開し、2028年までに北米、欧州、オーストラリア、アジアの28都市へ広げる計画だ。
技術基盤には「NVIDIA Hyperion」と、自動運転向けAIモデル群「Alpamayo」を用いる。両社によると、Alpamayoは「思考の連鎖」と呼ばれる段階的な推論を活用し、予測しにくい歩行者の動きや工事区間など、発生頻度が低く複雑な状況への対応を目指す。NVIDIAは車載計算基盤に加え、自動運転ソフトウェア全体の提供を進める。
各都市では、まずデータ収集車両を走らせ、地域特有の運転環境を学習させる。その後、運転担当者が乗車する段階を経て、一定の運行条件の下でシステムが運転を担うレベル4の完全無人運行へ移行する方針である。
■Waymoとの運用で稼働率と需要を探る
Waymoの完全無人運転車両は、オースティンとアトランタでUberアプリから利用できる。人が運転する車両と自動運転車両を同じ配車ネットワークで扱う、Uberの戦略を示す運用例となっている。
米メディアAxiosが9月に報じたところでは、Uberは両都市で乗車件数が増え、人間のドライバーの収入も安定していると説明している。同社は自動運転車を供給の追加と捉え、配車市場全体の拡大につながるとの見方を示す。
Uberは第3四半期の説明資料でも、自動運転車が運行する米国市場で乗車件数の伸びが好調だったと説明した。同社が商用展開で重視するのは、車両台数の拡大とともに、利用者を安定して集め、車両ごとの稼働率と採算を高めることである。
■収益拡大と第三者資本で車両導入を支える
2026年第3四半期の全社総取扱高は598億ドル(約9兆4500億円)で、前年同期比、為替一定ベースともに20%増だった。Uberによると、20%以上の成長は5四半期連続となる。非GAAP営業利益は38%増の23億ドル(約3630億円)で、総取扱高に対する比率は過去最高の3.9%に達した。
調整後EBITDAは31%増の29億6,300万ドル(約4680億円)となり、総取扱高に対する比率は前年同期の4.5%から5.0%へ上昇した。米国会計基準に基づく純利益は5億1,200万ドル(約809億円)で、保有株式の評価替えによる税引前純損失4億7,600万ドル(約752億円)を含む。非GAAPの1株当たり利益は35%増の0.88ドルだった。
2026年第4四半期については、調整後EBITDAを31億3,000万~32億3,000万ドル(約4950億~5100億円)、非GAAPの1株当たり利益を0.95~0.99ドルと予想する。1株当たり利益の予想レンジは、前年同期比34~39%増に相当する。
経営陣は、初期の自動運転車両導入ではUberが資産を保有し、長期的には第三者資本を活用する方針も説明した。コスロシャヒ氏は、車両の残存価値の評価が課題になるとし、フリートの収益力に着目した資金調達を検討していると述べた。
その参考例として挙げられたのが、Santanderとの既存の車両運営事業者向け融資の枠組みだ。Santanderの5月の発表によると、欧州のUber提携事業者を対象に、3年間で最大10億ユーロ(約1780億円)の資金供給を行う計画となっている。
事業規模の比較では、第3四半期の配車事業の総取扱高は約295億ドル(約4兆6600億円)で、その1%に相当する金額は約2億9,500万ドル(約466億円)となる。約700台から始まる完全無人運転車両の拡大計画は、導入台数、運行地域、車両の稼働率、資金調達の各面から進捗を測る手掛かりになる。
元記事: Uber CEO Makes History With First-Ever Driverless Fleet Targets — 700 by Year-End, 10,000 by 2028