イラン、米中間選挙とイスラエル総選挙への介入を画策か=英紙報道
2026年10月30日 10:24
英紙テレグラフは29日、イランが米国とイスラエルの両国に対し、選挙への介入を図っていると報じた。イスラエルでは27日に総選挙(クネセト選挙)が実施され、米国では11月3日に中間選挙の投票が行われる。
同紙が引用したイラン当局者は「封鎖下にある我々にとって、戦争とはミサイルや銃だけを意味しない。……彼らの選挙、銀行、交通、あらゆる日常のシステムを混乱させる用意があることも意味する。我々はどこの候補者も支持していないが、分断された米国と分断されたイスラエルを見たい」と語った。
この当局者は、介入工作を3カ国間の敵対関係の当然の帰結と位置付けた。この敵対関係は、イスラエルと米国が2月にイランを共同で攻撃したことで始まった。
英保守系紙である同紙の取材に対し、別のイラン当局者は「米国とイスラエル両政権の選挙プロセスに工作員を送り込む方法を探ってきた。……両国の選挙システムをハッキングするため、強力なサイバー集団も設立された」と主張した。
■イスラエルでは外国介入の調査開始
報道と同じ29日には、イスラエル中央選挙管理委員会のノアム・ソルバーグ委員長(最高裁判事)が、クネセト(国会)選挙への外国からの介入疑惑について、イスラエル総保安庁(シンベト)に調査を指示したことが明らかになった。
この調査は主にカタールを対象としているとされる。カタールは報道内容を否定している。一方、イスラエル政府高官は選挙前から、イランによる影響工作の脅威を警告していた。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、投票まで1週間を切った10月21日、エルサレム・ポスト紙に対し「イランとその代理勢力が選挙に影響を与える方法を検討しているとの明確な警告を、軍情報部とモサド(諜報特務庁)から受けている」と述べていた。
シンベトも10月22日、外国による介入工作に関与した疑いのある複数のアカウントをSNSから削除したと発表した。
ただ、27日の投票でイランやカタールによる外国からの介入が実際にあったとの主張は、確認されていない。中央選管のディーン・リブネ事務局長代行は「クネセト選挙は合法的に実施された。投票所における選挙の公正性は厳格に守られた」との見解を示している。
それにもかかわらず、ネタニヤフ首相は、今回の選挙で計19議席を獲得する見通しとなったアラブ系政党が外国の介入の恩恵を受けたと非難した。首相が率いる与党リクードは「イスラエルの選挙は盗まれた」との声明を出した。
■イランは「誰が勝っても関係ない」
ドナルド・トランプ米大統領も以前、中間選挙で民主党が勝利すればイランが利益を得るとの見方を示唆していた。同氏は5月、イランが11月の選挙後に米国からより有利な条件を引き出そうと、交渉を引き延ばしていると非難した。
これに対し、テレグラフ紙が引用したイラン当局者らは、イランが特定の勢力に肩入れしているとの非難には根拠がないとの考えを示した。ある当局者は「米国やイスラエルのどの選挙で誰が勝とうが負けようが、我々には関係ない」と述べた。
この当局者はさらに「イスラエルで誰が勝っても、敵であることに変わりはない。米国では、好戦的な支配者に怒りを抱く有権者が、世界に平和をもたらす決断を下すのを見たい」と続けた。