米・イラン対立、収束見えず―米国連大使が海上封鎖の継続能力強調

2026年10月24日 15:10

 米国のマイク・ウォルツ国連大使は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューで、イランの港湾に対する海上封鎖を「当面維持できる」と述べた。米国とイランの対立に収束の兆しが見えないなか、交渉による合意への期待を示す一方、封鎖を継続する能力を強調した。

 ウォルツ大使は、イランが交渉の席に着き、米国と「実質的な合意」に達することを望んでいると説明。「大統領と米海軍は、この封鎖を当面維持できる」と語った。

 一方、ウォルツ大使は23日、米国が長期の対峙に備えているとするFTの報道の解釈に異議を唱えた。同氏が公表したやり取りでは、1年後も膠着状態が続く可能性を問われ、「仮定の話はしない。それまでに相手が真剣に交渉の席に着くことを望む」と回答。封鎖や外交努力をどれだけ続けるかは、ドナルド・トランプ大統領が判断することだと述べた。

 米国とイスラエルによる対イラン攻撃の再開を巡る報道も相次いでいる。FTは21日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が10月上旬の大規模攻撃を計画したものの、トランプ大統領が11月3日の米中間選挙前の再開に反対したと報じた。両国の選挙後に攻撃が再開される可能性も取り沙汰されている。

 イスラエルの総選挙は10月27日に予定されている。同国首相府は、ネタニヤフ首相が選挙前の戦闘再開を求めているとの報道を否定しているが、両首脳はここ数週間、イランへの強硬な発言を強めている。

■船舶7隻に被害とイラン側が主張

 イランはホルムズ海峡周辺の船舶への攻撃も強めている。革命防衛隊海軍は22日、ペルシャ湾北部で原油を船から船へ積み替えていた4隻が攻撃を受けて炎上し、別の3隻がホルムズ海峡西部で機雷に接触して炎上したと発表した。

 船名や死傷者は明らかにしていない。計7隻という被害が裏付けられれば、2月下旬の開戦以降、1日の被害隻数として最多となる。

 こうした緊張の高まりを受け、原油価格は上昇している。一方、ペルシャ湾からの石油輸出は、米国による保護や迂回パイプライン、高い収益が見込める輸送契約に支えられ、開戦前の水準を上回っている。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が船舶追跡会社Kplerのデータを引用して報じたところによると、10月18日までの1週間にホルムズ海峡や域内の代替ルートを通じて輸出された中東の石油は、日量平均2400万バレル超となった。開戦前の2330万バレルを上回った。

 ただし、ホルムズ海峡経由の輸送は開戦前の水準に戻っていない。Kplerの暫定集計では、オマーン湾での洋上積み替えを含む海峡経由の輸送量は日量約1400万バレルと、開戦前の82%にとどまった。

■迂回ルートと洋上積み替えが輸出を支える

 輸出全体の回復を支えているのは、拡大する代替ルートと輸送の仕組みだ。船舶は深刻な危険にさらされているものの、イランが近隣諸国の輸出を妨げる力は弱まっている。

 サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)のパイプラインは、輸送先の振り替えに役立っている。9月には、イラン産を除くペルシャ湾からの原油輸出の約40%がホルムズ海峡を迂回した。開戦前の比率は17%だった。

 海上では、一部のタンカーが短距離の往復輸送を担っている。ペルシャ湾内で原油を積み込み、ホルムズ海峡を通過した後、オマーン近海で別の船に積み替える。受け取った船が遠方の市場まで運ぶ仕組みだ。オマーン沿岸では米軍の航空援護が一定の保護を提供している。タンカーは海峡通過時に、船舶追跡用の信号を停止することも多い。

 イラン側も一段の軍事行動を警告している。革命防衛隊のホセイン・モヘビ報道官は21日、「ある国がわれわれを攻撃すれば、反撃するとともに攻勢にも出る」と述べた。従来の軍事方針は防御と攻撃への対応が中心だったが、今後は非対称戦を重視する方針だと説明した。

関連記事

最新記事