Xpeng「L03」豪州でA$41,900から BEVと航続距離延長型を同価格で投入
2026年9月26日 23:50
Xpengは、新型SUV「L03」のオーストラリア価格をオンロードコスト別でA$41,900からとし、9月24日に予約受付を開始した。エントリー価格はバッテリーEV(BEV)と航続距離延長型EVで同額となる。初回納車は2026年11月以降を予定しているが、価格発表時点ではオーストラリア設計規則(ADR)の適合認証を取得していない。
■BEVと航続距離延長型をA$41,900から設定
L03はオーストラリアで4モデルを展開する。後輪駆動(RWD)のStandard RangeとPowerX Long RangeはいずれもA$41,900から、RWD Long RangeはA$46,900から、最上位のAWD Performance UltraはA$53,900からとなる。
BEVのRWD Standard Rangeは58.3kWhのリン酸鉄リチウム(LFP)電池を搭載し、WLTP航続距離は445km。RWD Long RangeとAWD Performance Ultraは71.2kWhのLFP電池を使い、航続距離はそれぞれ520km、440kmとなる。
DC急速充電の最大出力はStandard Rangeが193kW、Long RangeとAWD Performance Ultraが236kWである。L03のBEV各モデルは400V系の電気アーキテクチャを採用している。
LFP電池は一般に、ニッケル・マンガン・コバルト(NMC)系などの電池と比べて熱安定性やサイクル寿命に強みがある一方、重量当たりのエネルギー密度では不利になり得る。熱暴走の可能性そのものを排除する技術ではない。
■PowerXはエンジンを発電に使用
PowerX Long Rangeは、XpengのKunpengレンジエクステンダー技術を採用する。37kWh級のLFP電池と1.5Lガソリンエンジンを組み合わせ、後輪の電動モーターで走行する。
ガソリンエンジンは発電機として使われ、車輪を直接駆動しない。WLTP基準の電気のみの航続距離は215kmで、燃料を併用した総航続距離は1017kmとされる。DC急速充電の最大出力は123kWで、10〜80%の充電時間は約20分としている。
PowerX Long Rangeの価格はStandard Range BEVと同じA$41,900である。ただし税制上の扱いは異なる。
オーストラリアでは2025年4月1日以降、原則としてプラグインハイブリッド車はEV向けフリンジ・ベネフィット税(FBT)免除の新規適用対象から外れた。内燃機関を搭載するPowerXも、2026年に新規契約する車両としてはこの免除の対象にならない。一方、条件を満たすBEVは引き続き対象となり得る。
■NGPは2027年から豪州展開へ
L03にはXpengの最新世代の運転支援技術が盛り込まれる。同社は、VLA 2.0を基盤とするNavigation Guided Pilot(NGP)を2027年からオーストラリアとニュージーランドで段階的に展開する計画を示している。
Xpengは自社開発のTuring AIチップについて、最大3基で2250TOPSの演算性能を持つ構成を展開している。豪州仕様L03についても一部現地報道は全モデルに3基を搭載すると報じる一方、別の報道ではAWD Performance Ultra向け装備としている。Xpeng豪州の公開ページではモデル別の最終構成を明確に確認できないため、グレード別の搭載数は今後の正式仕様確認が必要となる。
VLA 2.0を使ったNGPは運転支援システムであり、ドライバーが監視を続けることを前提とする。Xpeng自身も、豪州向けの高度なNGP機能は2027年からの展開予定としており、納車開始時点ですべての機能が利用できるわけではない。
AWD Performance Ultraには、タイヤが高速走行中に急激に空気圧を失った際の安定制御など、追加の運転支援機能が設定される。
■豪州EV市場で競合車と近い価格帯
L03の価格は、Geely EX5やBYD Atto 3など中国メーカーの電動SUVと競合する水準に設定された。エントリーモデルをA$41,900とすることで、Xpengは豪州でより低価格帯へ製品ラインを広げる。
L03は全長4650mm、全幅1920mm、全高1600mm、ホイールベース2850mm。クーペ風のルーフラインを持つ5人乗りSUVである。
Standard RangeのWLTP航続距離は445km、Long Rangeは520kmで、性能重視のAWD Performance Ultraは440kmとなる。AWD Performance Ultraは最高出力285kW、最大トルク431Nmとされ、0〜100km/h加速は4.5秒としている。
XpengはL03をグローバル市場で展開しており、オーストラリアは右ハンドル仕様を受け入れる初期市場の一つとなる。同社は2026年7月、L03を豪州で同年第4四半期に発売する計画を明らかにしていた。
■ADR認証を経て11月以降の納車を予定
価格発表時点でL03はADR適合認証をまだ取得していない。豪州の自動車メディアによると、Xpengは11月以降の販売店への入庫と顧客への納車を見込んでいる。
Xpengは2026年に豪州事業をメーカー直轄体制へ移行した。旧販売代理店TrueEVがXpengを相手取って起こした連邦裁判所の訴訟は、TrueEVが裁判所命令による訴訟費用担保の全額を納付できなかったため、8月20日に棄却された。当初予定されていた10月の公判は実施されない。
裁判所はTrueEVの主張の実体について判断していない。Xpeng ANZはその後、豪州での販売をメーカー支援の体制に一本化し、TrueEV経由で購入した既存顧客についても、条件を満たす保証や一部の購入時特典への対応を進めるとしている。
■コネクテッド機能では個人データも処理
Xpeng Australiaのプライバシーポリシーによると、同社のアプリやコネクテッドサービスでは、車両識別番号、走行距離、バッテリー状態、速度などの車両テレマティクス情報、Bluetooth情報、位置情報などを処理する。
同社は豪州向けポリシーで、個人データを主に欧州経済領域(EEA)のサービス事業者で保存・処理すると説明する一方、中国にあるXpengの関連会社も、ITシステムの運用・保守、研究開発、分析、技術支援などに必要な範囲でデータを処理する場合があるとしている。
中国のデータ安全法は、公安機関や国家安全機関が国家安全保障や犯罪捜査のため法に基づいてデータを取得する場合、所定の承認手続きを経たうえで関係する組織や個人に協力を求める規定を設けている。一方で、豪州のXpeng利用者のデータが一律に中国政府へ提供されるとまでは確認できない。
利用者はXpengのプライバシーポリシーに基づき、一定の個人データについてアクセス、訂正、削除、処理の制限や同意の撤回などを求めることができる。
■同価格でもBEVとPowerXで特性に違い
L03は、Standard Range BEVとPowerX Long RangeをともにA$41,900からとしながら、航続距離や充電性能、税制上の扱いが異なる構成とした。長距離移動ではPowerXの1017kmという総航続距離が特徴となる一方、BEVにはFBT免除の対象になり得る利点がある。
RWD Long Rangeは520kmのWLTP航続距離、AWD Performance Ultraは285kWの最高出力と440kmの航続距離を持つ。どのモデルも、価格だけでなく充電環境や走行距離、税制適用の条件によって使い勝手が変わる。
予約受付は2026年9月24日に始まった。初回納車は11月以降が予定されており、実際の販売開始はADR適合など必要な認証手続きが前提となる。
元記事: Xpeng L03 Confirmed for Australia: BEV and Range Extender from Same A$41,900 Entry Price