大塚製薬、ポカリスエットをインドに展開 海外事業を加速
2025年7月12日 21:09
大塚製薬は9日、インドで「ポカリスエット」の販売を開始したと発表した。同社のインドネシア現地法人が製造した製品を輸入して販売する形で、2025年7月から開始。輸入・販売は、24年に設立したインドの現地法人「大塚ニュートラシューティカルインディア」が担う。
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インドでは、350/500ミリリットルのペットボトル2タイプを展開する。水分・電解質を補給できる健康飲料の展開により、熱波などの異常気象や人口増加といったインドの社会課題への貢献を目指す。
大塚製薬は、抗精神病薬や注射剤などの「医療関連事業」と、健康維持・増進を支援する製品を扱う「ニュートラシューティカルズ関連事業」(以下、NC関連事業)の2つを事業の柱にしている。
ポカリスエットはNC関連事業に含まれ、「オロナミンC」に次ぐ製品として1980年から販売を開始。「カロリーメイト」やサプリメントといった多様な製品を扱う現在でも、主要製品の1つに位置付けられる。2024年6月に発表した「第4次中期経営計画」(2024-28年度)では、海外ポカリスエット市場の拡大と新エリアでの基盤構築を掲げている。
海外事業をアジアから進めてきた同社は、周辺エリアに複数の拠点やリソースを持つ。1973年にタイで輸液事業を始め、インドネシア、台湾などへとエリアを拡大。ポカリスエットは、82年に香港と台湾で販売を開始し、現在は北米などを含む20以上の国と地域で、事業を展開している。
今回の製造を担うインドネシアでは、89年より販売を開始。ポカリスエットの工場を2カ所構えており、インドへの供給に至った。また直近の2025年4月には、ベトナムで初となる工場も竣工。インドへの展開と併せて、アジアでの事業も拡げている。
ポカリスエットの海外売上は拡大しており、21年以降は、海外での売上数量が国内を上回り、成長傾向が続いている。大塚製薬は今後、その成長を加速させる方針で、日本発のグローバル製品として、ポカリスエットの世界展開を推進する。(記事:三部朗・記事一覧を見る)