海外戦略に拍車:ヨネックス、外国人投資家から低配当性向是正の声が大きいのではないか!?
2025年7月12日 10:20
ヨネックス(7906、東証スタンダード市場)。バドミントン用具で世界首位(シェア90%)。スポーツ用品を幅広く展開。いま注力はテニス用品。国際市場開拓も、着々。
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外人持株比率:27%。
1946年、故米山稔氏が創業。戦場に死した父親から託された1台の木工用モーターを母親から譲り受け、桐木栓(酒類用吞み口)&木製のウキを手掛けたのが入り口。その後、現業のスポーツ用品に進出。現社長のマリサ・ヨネヤマ氏は、創業者の孫にあたる。
収益動向は、四季報:業績欄の見出し【連続最高益】に見て取れるように好調。営業利益の推移で追うと2022年3月期の「552.7%増益」から、「49.3%増/15.4%増/22.1%増」。そして今3月期も「7.0%の増収(1480億円)、4.4%の営業利益(148億円)」着実な歩み計画。配当も「10円配」から今期計画24年配に積み重なってきている。
ただ見方の違いはあるかもしれないが、本稿作成時点の予想税引き配当利回りは0.63%水準。投資家は「不満」を募らせていないのだろうか。とりわけ「持株比率27%水準の外国人投資家の声が聞きたい」とするアナリストの声に、同感。
中長期ビジョンとし「グロバール成長戦略」を打ち出している。それだけに、私見としても私が外国人投資家なら「利益剰余金570億7100万円/有利子負債91億100万円、配当に積極的になって然るべきではないか」と突き詰めたい。と、指摘したくなる。
ヨネックスの事業セクターは「スポーツ用品事業」と「スポーツ施設事業」に分かれる。注力姿勢の海外部門は前者事業。前期決算でスポーツ用品事業をみると、内外の総売上高は1377億1800万円/総営業利益は133億4400万円。
これを市場別にみると「日本:580億500万円(前期比13.6%増収)/36億9400万円(125.1%増)」-好調裡だが・・・、海外は「アジア:679億9900万円(24.0%増)/97億1200万円(9.3%増)」-「北米:63億5400万円(15.3%増)/5億6000万円(123.0%増)」-「欧州:53億5900万円(18.6%増)/4億7700万円(10.6%減)」。内外の括りでは海外「797億1200万円/107億4900万円」対し、日本市場「580億500万円/36億9400万円」。
経済成長著しい東南アジア市場のスケール拡大、米国市場の拡充、欧州市場の底上げがその中身である。
ちなみに時価は2900円台半ば。1月安値1939円から6月高値3030円までつけた後の揉み合い場面。だけに、低配当利回り⇔外国人投資家動向が気になるところではある・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)