米半導体株指数が12.25%急落、6年ぶり下落率―6日は反発も選挙後のAI投資減速懸念くすぶる
2026年11月7日 20:48
米国株式市場で5日、半導体株が大幅に下落し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は前日比12.25%安となった。3日の中間選挙で民主党が上下両院の過半数を獲得したことを受け、投資家が人工知能(AI)関連投資ブームを見直す動きを強めた。翌6日、SOX指数は4.21%反発した。
■チップ設計から製造装置まで全面安
売りは半導体設計会社、メモリーメーカー、製造装置メーカーに広がり、ウォール街で最も勢いのあった成長株取引の一つが、相場全体の急落の中心となった。SOX指数は前日比1257.52ポイント安の9011.14で取引を終えた。1日の下落率としては、15.90%下落した2020年3月16日以来の大きさだった。終値で1万を割り込むのは4月28日以来で、6月22日に付けた終値ベースの最高値1万4634.72を38.4%下回った。
主要な半導体上場投資信託(ETF)も軒並み急落し、分散された半導体ポートフォリオを保有する投資家にとっても下落の歯止めにはならなかった。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は17.3%安、エヌビディアは9.3%安となった。エヌビディア株はこの下落で2026年の年初来騰落率が2.6%のマイナスに転じた。過去3年間にわたり大幅な値上がりを続けてきた同社にとって急激な反転となった。同社の時価総額の大きさから、その下落は相場全体に特に大きな影響を及ぼした。
メモリーと製造装置関連はさらに大きな打撃を受けた。マイクロン・テクノロジーは17.46%安の656.39ドル、ラムリサーチは16.36%安の185.20ドルで取引を終えた。計算能力の拡張を支える部品や装置を供給する企業にまで売りが及んだ形だ。
■主要半導体ETFも5営業日で2割超下落
売りは二大半導体ETFを通じても投資家に波及した。iシェアーズ半導体ETF(SOXX)は12.15%安の131.90ドル、ヴァンエック半導体ETF(SMH)は11.21%安の447.73ドルで引けた。5日までの5営業日の下落率は、それぞれ約23%と約20%に達した。
ただ、SOX指数は5日の急落後も年初来で約25%高の水準を保っている。
■決算も重荷に
企業決算も、すでに神経質になっていた市場に追い打ちをかけた。クアルコムは、2026年7〜9月期(第4四半期)のスマートフォン向け半導体の売上高が市場予想を下回ったことを受け、株価が9.5%下落した。
アーム・ホールディングスも約13%下落した。同社が示した10〜12月期(第3四半期)の売上高見通しは市場予想をわずかに上回ったものの、AIブームによる一段の上振れを期待していた投資家を満足させることはできなかった。インテルは約10%安、サンディスクは前日の7%安に続き22%下落した。
■データセンター建設の減速懸念
セクター全体の下落の背景には、AIデータセンターの建設が減速しかねないとの懸念の高まりがある。中間選挙での民主党の勝利により規制当局の監視が強まるとの見方が広がり、既存の資金調達面での圧力に拍車をかけた。UBSのアナリストは、建設が一時停止される可能性によって、2028年に見込まれる米国のデータセンター容量増加分の約30%が影響を受けるおそれがあると試算した。
こうした懸念は5日以前から高まっていた。ロイター通信が同日の取引時間中に報じたコメントで、50パーク・インベストメンツのアダム・サーハン最高経営責任者(CEO)は、主要株価指数が打撃を十分に反映する前から、多くのAI関連株はすでに弱気相場入りしていたと指摘した。投資家はAI投資の収益性に対する疑問を強め、次の材料を探しているという。
■6日は押し目買いで反発
6日の米国株式市場では、急落した半導体株に押し目買いが入った。SOX指数は前日比379.11ポイント(4.21%)高の9390.25で取引を終え、前日の下げ幅の約3割を取り戻した。
個別銘柄では、AMDが11.04%高の449.04ドルと大きく値を戻した。インテルは7.71%高、ラムリサーチは8.23%高、クアルコムは5.52%高、マイクロンは5.12%高、アームは4.74%高、サンディスクは3.6%高となった。エヌビディアは2.78%高にとどまった。
主要株価指数は高安まちまちだった。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は1.09%高の2万4579.42、S&P500種株価指数は0.31%高の7376.86で引けた。一方、ダウ工業株30種平均は237.33ドル(0.46%)安の5万1285.73ドルで終えた。
同日発表された10月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比16万5000人増と市場予想の約5万9000人増を大きく上回り、失業率は4.1%となった。週間ではS&P500が2.68%、ナスダック総合指数が3.37%、ダウ平均が0.94%それぞれ下落した。