トランプ大統領、中間選挙大敗でも「大掃除」に応じず―共和党から陣容刷新求める声
2026年11月7日 12:44
米中間選挙で民主党が上下両院の過半数を奪還したことを受け、共和党内からドナルド・トランプ大統領に対し、ホワイトハウスの陣容を刷新し、大敗の原因とされる政策を見直すよう求める声が強まっている。トランプ大統領は野党が多数を握る議会と向き合うことになり、党に対する影響力にも改めて疑問が生じている。
11月3日に投開票された中間選挙では、民主党が上下両院で多数派を獲得し、主要な選挙ではトランプ大統領が支援した候補が相次いで敗れた。ロイター通信によると、共和党の盟友や戦略家らは、イラン戦争や関税、大統領が優先する課題を、対処が必要な負担要因として挙げている。
共和党のベテラン戦略家ジョン・フィーヘリー氏は選挙結果を「大惨事」と表現し、人事の刷新を求めた。同氏はロイター通信に対し、「彼は大掃除をする必要がある」と述べ、「これから先は日を追うごとに、ますますレームダック(死に体)化していく」と語った。
一方、トランプ大統領は3日夜、FOXニュースに対し、中間選挙の結果を「自分への打撃とは見ていない」と述べ、異なる認識を示した。次期大統領の有力候補と広く目されているJD・バンス副大統領は4日、共和党の敗北の原因はイラン戦争にあるとの見方を示した。トランプ大統領に近い人物でさえ、同氏の政権下で下された決定と自らの政治的将来を切り離し始める可能性を示唆する発言となった。
■イラン戦争が総括の焦点に
イラン戦争は党内で敗因を総括する際の中心的な争点となっている。トランプ大統領は3日、開戦から8カ月となる同戦争が共和党候補に打撃を与えたことを認めた。その一方で、開戦の判断は正しかったと引き続き主張した。
■政権内に人事異動への不安
政権内では立て直しの機運とともに、誰が政権を去るのかをめぐる不安も広がっている。匿名を条件にロイター通信の取材に応じたホワイトハウス高官によると、側近らはスタッフの退任や閣僚交代の可能性、民主党による調査に備えているという。
同高官は「今ここにいるのは本当に最悪だ。士気はこれ以上ないほど落ちている」と語った。同高官によると、投票日の6週間前の時点で、内部の世論調査は共和党が上下両院で敗北する見通しを示していた。選挙への影響について警告を受けていたにもかかわらず、トランプ大統領はイランへの対応を改めるよう求める助言を退けたという。
「結局、彼はまったく気にしなかった。誰の意見にも耳を貸そうとしなかった」と同高官はロイター通信に語った。
■ボールルーム建設にも不満
共和党内の不満は、大統領が建設や改修の事業に力を注いでいることにも向けられている。
共和党の政治顧問がロイター通信に明らかにしたところによると、ミシガン州やアイオワ州など上院選の激戦州で実施したフォーカスグループ調査では、トランプ大統領がホワイトハウスのボールルーム(大宴会場)建設やワシントンの改修事業に力を入れていることに対し、共和党支持者や無党派層の間で反発が強まっていた。
それでもトランプ大統領は4日、記者団をボールルームの建設現場に案内し、自らの関与を擁護した。トランプ大統領は「私にとってはリラックスできることだ」と述べた。ホワイトハウスも、大統領の写真に「PSA(お知らせ):トランプは今もあなたたちの大統領だ」とのメッセージを添えてソーシャルメディアに投稿し、強気の姿勢を前面に出した。
■行政措置で政策推進も
2027年1月に新議会が発足すると、民主党の多数支配が政権運営の障害となる。民主党は法案の阻止、政権の決定に対する精査、大統領が指名した人事への異議申し立てが可能な立場となり、トランプ大統領が行政措置を通じて優先課題を進めざるを得ない状況が強まる。
ロイター通信は以前、ホワイトハウス当局者らが共和党敗北の可能性を見越し、移民、関税、住宅、連邦支出に関する行政措置を数カ月かけて準備してきたと報じていた。
こうした準備によって、トランプ大統領は議会の承認を経ずに政策課題の一部を進められる可能性がある。ただ、民主党が手にする監視権限や、そうした調査が政権当局者に課す負担までは排除できない。