相場展望 11月5日号 米国株:中間選挙イベント通過で、一時的な株高も、AI投資懸念が浮上/中国株:中国当局による今回の株式市場浮揚策に「欠けているもの」/日本株:米国中間選挙で民主党大勝し、AI過剰投資懸念が顕在化か?

2026年11月5日 20:15

相場展望 11月5日号 米国株:中間選挙イベント通過で、一時的な株高も、AI投資懸念が浮上/中国株:中国当局による今回の株式市場浮揚策に「欠けているもの」/日本株:米国中間選挙で民主党大勝し、AI過剰投資懸念が顕在化か?


■Ⅰ.米国株式市場

1.NYダウの推移
1)11/2、NYダウ+213ドル高、51,983ドル             (日経新聞)
・11/2の米国株式市場でNYダウは前週末比+0.41%高と、3営業日ぶりに反発して終えた。
原油先物が大幅に下落したことで投資家心理が改善し、消費関連株や景気敏感株を中心に買いが入った。
もっとも、人工知能(AI)や半導体関連銘柄の一角には売りが出て、相場の重荷だった。

・ルビオ米国国務長官は10/31の記者会見で、トランプ米国大統領はイランとの戦争の外交的な解決を望んでおり、軍事力の行使は避けたいとの見解を示した。
イランへの軍事作戦の可能性について、大統領は「まだ決断をくだしていない」とも話した。

・ロイター通信は11/2、イランが戦闘終結に向けてカタールの仲介者と数日間にわたり協議したと報じた。
協議は合意には至らなかったものの、イランのアラグチ外相はイランのメディアを通じて「仲介者を介した協議は非常に活発に行われている」と述べたという。

・中東地域での軍事衝突が一段と激化するとの見方がいったん後退し、11/2の米国原油先物市場でWTIの期近物は前週末比▲7.4%安で終えた。
原油安で米国のインフレ圧力が高まるとの警戒が薄れ、同日の米国債券市場では長期金利が低下(債券価格は上昇)し、一時9月上旬以来の低水準を付けた。
金利低下で、消費関連株や景気敏感株などに買いが入り、NYダウの上げ幅は+650ドルを超える場面があった。

・NYダウは前週に週間で▲444ドル下落していた。
短期間で売られ過ぎたとの見方から、主力株を買い直す動きが出やすい面があった。

・AIや半導体関連銘柄の一角が下落したことは、株式相場の重荷となった。
朝方は高く始まったものの、次第に売りが優勢となった。
市場では「AI投資の採算性を巡る不透明感が根強い」との見方がある。
NYダウの構成銘柄では、シスコシステムズやエヌビディア、キャタピラーが売られた。

・その他のNYダウの構成銘柄では、シャーウィン・ウィリアムズやホーム・デポ、ウォルマートが買われた。
マクドナルドとビザも高かった。
半面、シェブロンとマイクロソフトが下落した。
アップルやIBM、アルファベットも安かった。

・ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は、前週末比▲1.07%安と、3日続落した。
7月下旬以来、約3ヵ月ぶりの安値を付けた。
朝方は高く始まり、前週末に比べ+1.4%高となる場面があったが、主力株への買いが一巡した後、次第に上げ幅を縮め、下落に転じた。
アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やサンディスクなどAIインフラ関連への売りが目立った。

・半導体のマーベル・テクノロジーは急落した。
光学部品のルメンタムを買収することで合意したと11/2発表した。
株式交換で実施するとし、株式需給の緩みが嫌気された。

・多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は前週末比▲0.51%安と、3日続落した。
7/31以来約3ヵ月ぶりの安値となった。

●2)11/3、NYダウ▲197ドル安、51,786ドル             (日経新聞)

・11/3の米国株式市場でNYダウは前日比▲0.37%安と反落して終えた。
11/3投開票の米国・中間選挙の結果判明前で様子見ムードが強かった。
景気敏感株やディフェンシブ株に売りが出た一方、このところ下げていた人工知能(AI)関連株に物色が入った。

・中間選挙では野党・民主党が連邦議会下院で過半数の議席を獲得し、上院や州知事でも躍進するとの見方がある。
結果次第ではトランプ政権の政策運営の方向性が大きく変わり、AI向けデータセンターの建設差し止めの動きが広がる可能性もある。
選挙結果を見極めたい雰囲気が強い。

・NYダウではシャーウィン・ウィリアムズやホーム・デポ、ウォルマート、メルクなどの下げが目立った。
一部の銘柄はAI関連株の下落局面で資金の逃避先となっていた。
11/3の米国債券市場で米国長期金利が上昇(債券価格は下落)したことも株式の相対的な割高感につながった。

・アップルも売られた。
11/2発表の2026年7~9月期決算は市場予想を上回ったものの、説明会で公表した10~12月期の収益見通しが物足りないと受け止められた。

・一方、エヌビディアやマイクロソフト、アマゾンなどが上昇し、NYダウの下値を支えた。
シスコシステムズとキャタピラーも高かった。
AI関連が全般に「売られ過ぎていた」として買い直す動きがあった。

・NYダウの構成銘柄ではないが、引け後に決算発表を控えていたアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などの上昇が目立った。
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が前日までの3営業日で▲11%あまり下落し、半導体関連に短期的な戻りを期待した買いが入った。

・ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前日比+0.82%高と、4営業日ぶりに反発した。
半導体関連やメタプラットフォームズ、スペースXなどが買われた。

・一方、データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズは下げた。
11/2発表の2026年7~9月期決算は市場予想以上の増収増益だったが、収益指標の一部が減速したことが売りを誘った。

●3)11/4、NYダウ+1,569ドル高、53,356ドル            (日経新聞)

・11/4の米国株式市場でNYダウは前日比+3.03%高と、大幅に反発した。
9月上旬以来およそ2ヵ月ぶりの高さをつけた。
1日の上げ幅としては2025年4月上旬以来、1年7ヵ月ぶりの水準だった。
11/3投開票の米国・中間選挙は民主党が上下両院を制することが確実となった。
米国政治を巡る警戒が後退し、投資家の運用リスクを取る動きが強まった。

・上げ幅は一時+1,700ドルを超えた。
米国・中間選挙は野党・民主党が連邦議会の上下両院の過半数獲得を確実にした。
共和党のトランプ米国大統領は複数の米国メディアの取材に対して選挙結果を「受け入れる」と表明し、イランへの軍事攻撃が敗因のひとつとの認識も示した。
トランプ政権が内政面で強硬な姿勢をとりにくくなるとの見方が強まった。

・NYダウの構成銘柄では、マイクロソフトやアマゾン、アップルなどの主要ハイテク株の上昇が目立った。
11/4発表の2026年7~9月期決算で既存店売上高が市場予想以上だったマクドナルドも高い。
ナイキやウォルマートといった消費関連、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株など、幅広い銘柄が買われた。

・原油価格の急落も投資家心理の改善につながった。
米国原油先物市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物は一時1バレル=87ドル台前半を付け、前日の終値96.09ドルを大幅に下回った。
トランプ米国大統領がイランへの再攻撃に消極的な姿勢を示しており、中東情勢が一段と悪化するとの警戒が和らいだ。

・データセンターの建設計画が多い南部テキサス州の知事選では、ジーナ・ヒノホサ氏が共和党現職のグレッグ・アボット氏を破った。
ヒノホサ氏はアボット氏よりデータセンター建設抑制に積極的とみられている。
複数の州知事選でデータセンター建設の是非が争点となっていた。
民主党の躍進で建設計画の遅れにつながるとの観測から、半導体など人工知能(AI)関連銘柄の一角に売りが膨らんだ。

・民主党の勝利によってAI投資やデータセンター増設のペースが鈍化すれば、すでに資金力のある主力ハイテク企業のキャッシュフローが悪化する懸念は和らぎやすい。
ミラー・タバックのマシュー・マリー氏は「データセンター減速の影響を受けやすい半導体株を売って、テックセクター内で資金移動する動きが活発になった」とみていた。

・その他のNYダウの構成銘柄では、スリーエム(3M)とプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が買われている。
一方、キャタピラーやエヌビディア、シェブロンが下落している。

・民主党が勝利したことで、トランプ政権が進めてきた政策に歯止めがかかるとの思惑がある。
トランプ政権の発足後に上値を抑えられていたヘルスケア関連株や再生可能エネルギー関連銘柄が買われた。
一方、防衛費の大幅な増額が難しくなるとの見方から、RTXやロッキード・マーティンといった軍需株の下げが目立った。

・ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は、前日比+1.43%高と続伸した。
上昇率は9月以来の大きさだった。
ネットフリックスが高い。
一方、AI向けクラウドサービスのコアウィーブやネビウスが急落した。
データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズも売られている。

・多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は前日比+1.58%高で終えた。
上昇率は8月以来の大きさだった。

●2.米国株 : 中間選挙のイベント通過で、一時的な株高も、AI投資懸念が浮上

1)中間選挙のイベント通過で、不透明感が薄れ、反動で一時的な米国株高の可能性
⑴しかし、民主党の圧勝で、データセンター関連株は売り圧力が増す流れがある

●2)米国市場でディフェンシブ株の急上昇・急落は、「バブル崩壊の前触れ」か

⑴10/30にディフェンシブ株が急落
➀ヘルスケア  ▲15%安
素材      ▲14%安
生活必需品   ▲12%安
②過去のバブル崩壊のきっかけは、ディフェンシブ株の急落が起因。
⑵11/2、NYダウは+213ドル高
・株高要因・・米国・イラン和平協議の再開期待で原油先物価格が大幅下落。
株安要因・・AI関連の巨額投資に対する懸念で売りを誘う。
・ハイテク企業の銘柄が多いナスダック総合指数は、前日比▲1.07%安。
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は、前日比▲3.37%安。
・11/2の主要株価指数は、上昇したのはNYダウのみ、多くの指数は下落。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種指数も下落した。
SOX指数のチャートは上向く可能性は低く、むしろ下落を示唆。

●3)アップル、7~9月期決算発表

⑴売上高 ・・前期比で伸び鈍化、前年同期比+12%増の1,144.77億ドル
中国事業 ・・市場予想に届かず
利益   ・・最高益、前年同期比+12%増の307.11億ドル
⑵10~12月期見通し
売上高総利益率鈍化・・メモリー高騰でコスト高、見通しが市場予想に届かず
⑶株価は、7~9月期は好決算発表ながら、11/2株価は▲1.83%下落。
11/3は▲1.90%安。
11/4は、+5.31%高。中間選挙イベント通過による不透明感払拭の効果。

●4)巨額AI投資への懸念で売りが膨らみ、株価下落

⑴オラクル
7~9月期の売上高でクラウドインフラ事業が121%増。
2026会計年度の設備投資は557億ドル(約8兆8,000億円)と巨額。
株価  2025年10/1 281ドル
    2026年06/1 248
       11/2 119 (11/2は前日比▲11.45%安)
       11/3 126
       11/4 123 (前日比▲2.46%安)
            中間選挙終了後の大幅上昇にも関わらず下落したのに注目

●5)インテル、アルファベット安のショックでAI・半導体関連株が急落 

⑴関連株価の推移 10/30     11/2   11/3   11/4
インテル     ▲28.57%安  ▲8.80% +0.97% ▲1.95%
アルファベット  ▲12.3    ▲0.06  +0.08  +3.25
サンディスク   ▲13.47%安  ▲6.59  +4.78  ▲7.91

⑵民主党の大勝なら、AI規制に積極的なため株式市場には打撃。

⑶ただ、大きく売られただけに、値ごろ感から買われる可能性もある。

●3.米国10月ISM製造業景況指数は55.5、9月54.5・予想54.5から上昇、7月来で最高(フィスコ)


■Ⅱ.中国株式市場

1.上海総合指数の推移
1)11/2、上海総合+39高、3,638               (亜州リサーチ)
・週明け11/2の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前営業日比+1.08%高と、3日ぶりに反発した。

・市場安定化の期待が投資家心理を上向かせる流れとなった。
週末に中国の金融当局から市場安定化に向けた発信が相次いだ。
中国証券監督管理委員会(証監会)は「全力で市場の安定を守る」と表明し、中国人民銀行(中央銀行)は適度な緩和を継続すると改めて強調した。
また、人民銀と証監会は、資本市場支援ツールの活用について協議したとも伝わっている。

・さらに、週末に公表された10月の中国景況感指数が悪化したことを受け、当局が経済対策を強めるとの期待も広がった。

・そのほか、前週末の上海総合指数は心理的節目の3,600ポイントを割り込み、2025年8月4日以来となる約1年3ヵ月ぶりの安値水準に落ち込んでいたとあって、値ごろ感も着目された。

・中東情勢の不透明感などで、朝方は上値が重かったものの、株価指数は徐々に上げ幅を広げた。

・業種別では、
証券の上げが目立つ。
消費もしっかり。
ハイテクも物色された。
自動車、インフラ関連、不動産、医薬、素材、運輸なども買われた。
半面、
銀行は冴えない。
公益も売られた。

●2)11/3、上海総合▲29安、3,608               (亜州リサーチ)

・11/3の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比▲0.82%安と反落した。

・米国ハイテク株安が逆風となる流れとなった。

・人工知能(AI)投資の採算性が疑問視されるなか、昨夜の米国株式市場ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が▲3.4%安と大幅に3日続落し、7/29以来の安値水準に落ち込んだ。

・また、11/3のアジア市場では、半導体関連が多く上場する韓国や台湾の主要株価指数も下げて始まった。

・人民元の為替市場で、元高期待が後退した。

・中国人民銀行(中央銀行)は11/3、金融機関の外貨の預金準備率を引上げると発表した。
外貨の流動性を引き締めることで、急ピッチな人民元相場の上昇を抑制する狙いがある。
人民元安に傾けば、資金流出しやすくなると不安視された。

・ほか、米国の政治動向も気がかり。
11/3の米国・中間選挙の投開票を控え(結果は日本時間11/4に判明する見通し)様子見ムードも漂った。
結果によっては、米国・中国通商摩擦の動向にも影響が及ぶためだ。

・ただ、下値は限定的だった。
市場支援策や内需テコ入れ策など、中国の政策に対する期待感が相場を支えた。

・業種別では、
ハイテクの下げが目立つ。
銀行も冴えない。
エネルギー、海運、医薬なども売られた。
半面、
消費関連は高い。
自動車、空運、公益、素材、軍需産業、保険・証券なども買われた。

●3)11/4、上海総合+78高、3,686               (亜州リサーチ)

・11/4の中国本土マーケットは、上海総合指数が前日比+2.16%高と反発した。

・投資家心理が上向く流れとなった。

・米国政治の不透明感が薄らいだことや、中国の政策に対する期待感が相場を支えた。

・米国・中間選挙が11/4早朝に開票が始まり、上下院とも野党・民主党が優勢だと伝わった。
下院では民主党が4年ぶりに多数派を奪還することが確実となり、上院も多数派を獲得する見通しとなった。
トランプ米国政権の対中国強硬路線が和らぐと期待された。
トランプ氏は選挙結果を受け入れるとしたうえで、民主党と協力すると述べた。

・一方、中国当局は株価対策に本腰を入れている。
外電は11/3、消息筋情報として、「中国証券監督管理委員会が投資銀行に対し、新規株式公開(IPO)を一時停止するよう指示したもよう」と伝えた。
また、中国人民銀行(中央銀行)は11/3付けで、証券会社などを対象に株式投資の資金調達を支えるスワップ制度「SFISF」の第3回オペレーションを実施した。

・米国・中間選挙の見極めで前場の上海総合指数は後場からプラスに転じ、徐々に上げ幅を広げた。

・業種別では、
ハイテクの上げが目立つ。
医薬も高い。
素材、自動車、不動産、証券、運輸、インフラ関連なども買われた。
半面、
銀行は冴えない。
エネルギー、食品飲料・酒造、公益も売られた。

●2.中国 : 中国当局による今回の株式市場浮揚策に「欠けているもの」

1)中国本土マーケットで主要指標の上海総合指数が1年ぶりの安値圏まで下落
⑴中国株式主要指標の状況
➀上海総合指数は10/30、3,599まで下落し、約1年ぶり安値圏に落ち込んだ。
②ハイテク株で構成する科創板半導体指数は11/3、一時▲7%下落し、2025年12月以来となる安値を付けた。
③CSI300指数は、▲0.2%安で終了し、年初来では▲13%下落した。

●2)中国当局は株式市場の浮揚策を打ち出す

⑴中国当局は株式相場の下落に危機感を持ち、緊急に下支え策を11/2に実施した。
➀「国家隊」つまり、政府系の証券会社やファンド、企業による株式購入の指示をするとともに、資金調達を支援する措置の打ち出し。
②自社株買いによる買い支えも指示。
③銀行・証券会社に新規株式上場(IPO)や大規模な株式売り出しの一時停止を指示。

●3)当局が市場安定化に向けて打ち出した新対策では、効果を上げられない

⑴市場への資金流入を促す従来型の手法と同様の今回の措置では不十分だとの指摘がある。
⑵問題は、これらの相場浮上策は、
➀2024年の取り組みの繰り返しで、買い場ではなく売り場を提供したと指摘する声がある。
つまり、今回の措置は前回と同様の対応策であるため、期待を下回った。
②むしろ、値下がりしたハイテク株を保有する多くの投資家にとって、少しでも株価が反発すれば、売り逃げようとするきっかけを与えた可能性がある。
③さらに「現在の問題は、市場への信頼が欠けていることだ」との指摘がある。
・中国は2024年9月にも同様の対策を打ち出し、これをきっかけに株式市場は2年にわたる上昇相場に入った。
・ただ、当時は利下げと預金準備率の引き下げによる景気刺激策も伴った。
・しかし「今回は、それらの刺激策が無いに等しい」との指摘がある。
当局から、市場への信頼性回復措置が講じられることが期待される。

●4)2024年9月24日の措置に匹敵する規模以上の強力な政策支援策が待たれる。

⑴中国当局に望むもの。
➀抜本的な景気刺激策。
②株式市場の規制撤廃。
③株式市場の信頼性回復。

●3.中国の株式購入融資、申請2,000億元超、金利1%に引下げ       (ロイター)

1)人民銀は、資本市場の安定を維持するため、自社株買いや株式買い増しを支援する再貸出し政策を強化したと説明した。

●4.中国当局、市場回復まで新規株式公開(IPO)停止を証券各社に指示    (ロイター)

1)今回の措置に先立ち、中国株式市場では売りが膨らみ、主要銘柄で構成するCSI300指数(CSI300)は10月に▲8.5%下落。
月間として10年超ぶりの大幅下落となっていた。

■Ⅲ.日本株式市場

1.日経平均の推移
1)11/2、日経平均▲208円安、63,081円              (日経新聞)
・11/2の東京株式市場で日経平均は前週末比▲0.33%安と、続落して終えた。
前週末に発表した利益見通しが市場予想を下回ったキオクシアの株価が急落し、相場の重荷になった。
半面、韓国株の上昇が投資家心理を下支えした。
11/3投開票の米国中間選挙を控えて様子見の投資家が多く、日経平均は1日を通じて方向感を欠く展開だった。

・キオクシアは▲15%あまり下げて取引を終えた。
前週末の米国株式市場で半導体株が軒並み下げたこともあり、人工知能(AI)への積極投資が将来的に減速するとの懸念が改めて意識された。
ソフトバンクG(SBG)やイビデンなど他のAI・半導体関連にも売りが出た。

・もっとも、主力株への売りが一巡した後は日経平均は下げ渋り、上昇する場面も多かった。
今期の利益見通しが市場予想を上回った東京エレクトロンが上昇した。
アドバンテストも買われ、この2銘柄で日経平均を+400円あまり押し上げた。
半導体の比重が高い韓国株が上昇したのも追い風となった。

・市場では「キオクシアが急落しても、他の銘柄への売りは限定的となり、好決算銘柄にはしっかり買いが入って相場を支えた」との指摘があった。

・東証株価指数(TOPIX)は▲0.88%安と続落し、7月以来の安値で終えた。
JPXプライム150指数は▲1.07%安と続落して終えた。

・東証プライムの売買代金は7兆6,403億円、売買株数は23億2,819万株だった。
東証プライムの値下がり銘柄数は1,011、値上がりは505、横ばいは36だった。

・個別銘柄では、リクルートや三菱UFJ、トヨタが下げた。
一方、サッポロや三越伊勢丹、第一三共は上げた。

●2)11/3、祝日「文化の日」のため休場


●3)11/4、日経平均▲893円安、62,188円              (日経新聞)

・祝日明け11/4の東京株式市場で日経平均は前営業日比▲1.42%安と、3日続落して終えた。
米国・中間選挙で人工知能(AI)規制に前向きとされる野党・民主党が勝利する見通しとなり、AI・半導体関連銘柄を中心に売りが優勢だった。
だが、大勢が明らかになると売り材料は出尽くしたとの見方が広がり、日経平均は大引けにかけて日中の安値から+2,000円あまり値を戻した。

・11/3投開票の米国・中間選挙では野党・民主党が連邦議会の上下両院で多数派を奪還する見込みとなった。
米国主要メディアが報じた。
与党・共和党の大敗でAIデータセンターの建設が鈍れば、日本企業にも悪影響が及ぶとの懸念が台頭した。
東京市場ではアドバンテストや東京エレクトロン、ソフトバンクG(SBG)といったAI・半導体関連銘柄が売られて、日経平均を下押しした。

・午後に日経平均は下げ幅を▲3,000円あまりに広げて、半年ぶりの6万円割れが迫ったものの、その後は急速に下げ渋った。
米国・中間選挙での共和党の苦戦は予想されていたほか、トランプ米国大統領は米国紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューで選挙結果を「受け入れる」と説明した。
「我々は民主党と協力するつもりだ。おそらく解決策を見いだせるだろう」とも述べており、米国政策の不透明感が和らぐとの期待が買いを誘った。

・「AI投資に関して、米国が手を緩めれば中国との覇権争いに負けてしまう。共和と民主の超党派で前進させていく流れになるのではないか」と予想の声があった。
そのうえで、「今年最大の米国政治イベントをいったん通過したことで、今後は堅調な企業業績に着目した買いが入りやすくなる」との見方があった。

・東証株価指数(TOPIX)は▲0.89%安と、3日続落した。
6/12以来の安値水準となった。
JPXプライム150指数は▲0.95%安と、3日続落して終えた。

・東証プライムの売買代金は10兆8,055億円、売買株数は35億1,279万株だった。

・個別銘柄では、京セラやフジクラ、キオクシアが下げた。
一方、ファーストリテイや三菱商事は上げた。

●2.日本株 : 米国中間選挙で民主党大勝し、AI過剰投資懸念が顕在化か?

1)米国中間選挙で民主党大勝し、AI過剰投資懸念が顕在に
⑴米国・中間選挙イベントが終了し、不透明感が薄らぎ、相場環境は改善した。
⑵東京市場は、前日、日経平均は底値から+2,000円を超える上昇となった。
これは、中間選挙イベントの効果を、米国株に先取りしたことになる。
⑶今後、野党・民主党の大勝を受け、AIの過剰投資、特にデーターセンター建設に規制が強まる方向にある。
株式相場への織り込みは、これからとなる。
⑷AI過剰投資への懸念は、最近になって浮上している。
この状況に加えて、野党・民主党によるAI投資規制が乗っかることになる。
⑸半導体市況のシリコンサイクルも気になる時期に差し掛かりつつある。
決算利益も7~9月期は最高期で、10~12月期決算に慎重になりつつある。
韓国のサムスン電子、SKハイニックスの来期決算見通しを先読みして、株価は軟調にある。
その要因は、半導体価格の下落を見込んだもの。
パソコン(PC)も半導体が高価格のため2027年の需要が▲10%の減少見込み。
それだけに、高値となり過ぎた半導体企業の業績も最高潮に達し、今後、低下する状況を織り込み始めた可能性がある。
最近のキオクシア株価の急低下に現れているかもしれない。
最高値となったAI・半導体関連株が主導する日経平均の低下は始まりかもしれない。

●2)AI・半導体関連株を代表するキオクシアの株価が大きく変調

⑴キオクシアの株価推移  
6/22  36,233円
10/23  12,755
10/29  14,505
11/04  10,735
⑵キオクシア株価下落の状況(前日比)
10/30    11/2   11/4
▲7.13%安 ▲15.77  ▲5.37
⑶その他の注目銘柄の状況
SCREEN ▲18.96%安  決算が予想を下回る

●3)値上がり数・値下がり数などでみると、日経平均とは真逆の構図

⑴値上がり・値下がり数の推移
      10/28    10/29    10/30    11/2    11/4
値上がり数 432     734     807     505     425
値下がり数 1,096    779     714     1,011    1,084
差異    ▲664    ▲45    +93     ▲506    ▲659

日経平均  +685円高  +705円高  ▲1,369円安 ▲208円安  ▲893円安

・値下がり銘柄数が、値上がり数を上回る展開が続いている。
このため、相場は全体的に弱い。
・米国AI開発投資への懸念から、値がさAI・半導体関連株が売られている。
ただ、10/29は懸念後退で買われたが、流れは「懸念」が続くとみる。
・だが、売り一辺倒はありえず、買い直しが入る時があるハズ。
その時期は、米国・中間選挙イベントの終了後に訪れる可能性がある。
ただ、反動高は短期間とみる。

⑵新高値・新安値数の推移
     10/28  10/29   10/30  11/2   11/4
新高値数 24    9    42    34    32
新安値数 52    92    45    72    152
差異   ▲28   ▲83   ▲3   ▲38   ▲120

●4)日経平均の日中の動き

⑴11/2、日経平均の動き
前日終値(63,290円)
始値      ▲318円安   米国AI投資警戒感が波及
安値        ▲577円安 業績予想を下回るキオクシア急落が重荷
高値 +325円高        好業績の半導体株が押し上げた
終値     ▲208円安    米国中間選挙を見極めたいと慎重姿勢
     (63,081円)

⑵11/4、日経平均の動き
前日終値 (63,081円)
始値   ▲108円安      米国NYダウ安が波及
高値 +23円高        原油安を好感し小幅上昇
安値       ▲3,051円安 米国・中間選挙で民主党優勢で売り加速
終値    ▲893       米国株先物が上昇し、下げ渋り
      (62,188円)

●5)日経平均を動かす、寄与上位5銘柄の状況

⑴11/2、日経平均▲208円安の寄与上位5銘柄で占めるAI・半導体関連株の状況
➀プラス寄与上位       ②マイナス寄与上位
東京エレクトロン +248   キオクシア   ▲150円
アドバンテスト  +196   SCREEN     ▲ 58
レーザーテック  + 41   ソフトバンクG ▲ 57
               京セラ     ▲ 43
合計       +485円高 合計      ▲309円安

・日経平均の寄与上位5位以内のAI・半導体関連株は差引+176円高。
+176円高と押し上げて支え、日経平均を▲208円安にとどめた。

⑵11/4、日経平均▲893円安の寄与上位5銘柄で占めるAI・半導体関連株の状況
➀プラス寄与上位       ②マイナス寄与上位
(該当なし)         アドバンテスト  ▲259円寄与
               東京エレクトロン ▲173
               ソフトバンクG  ▲114
               京セラ      ▲ 65
               フジクラ     ▲ 45
               合計       ▲656円寄与

・日経平均の寄与上位5位以内のAI・半導体関連株は計▲656円安。
マイナス寄与上位5銘柄で73.46%を占めた。

●3.政府系ファンド、半導体材料大手・JSRを三井化学に1.3兆円以上で売却    (ロイター)

1)政府が出資する産業革新投資機構(JIC)が2年前に9,000億円で買収した。
海外ファンドでなく、国内企業への売却を通じ、政府が進める日本の半導体産業の競争力強化につなげる。

●4.ゆうちょ銀行、松井証券に20%出資、証券機能を取り込み商品拡充目指す  (ロイター)

1)松井証券の創業家の資産管理会社から株式を取得し、持分法適用関連会社とする。
2)ゆうちょ銀行は、金融商品のラインアップや資産運用サービスを拡充し、個人向けサービスを強化する狙いがある。
3)松井証券にとって、ゆうちょ銀行の顧客基盤や郵便局ネットワークとの連携を通じて顧客接点の拡大が期待される。

■Ⅳ.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

・6103 オークマ     業績好調
・7453 良品計画     業績回復期待

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