イラン、米国が条件をのめば「2日でホルムズ海峡再開」 原油は急落
2026年11月3日 10:08
イラン政府は2日、米国との協議が進展し、戦争終結に向けた本格的な交渉が実現すれば、ホルムズ海峡を2日以内に再開できるとの考えを示した。9月に提示した7日間の工程を短縮した。前提として、米国によるイラン港湾の海上封鎖の解除、制裁の解除、レバノンを含む停戦など7項目の条件を満たすよう、改めて米国に求めた。
イラン外務省のエスマイル・バガイ報道官は「イランの誠意ある姿勢を改めて示すものだ」と述べた。
■最高指導者が交渉の権限を付与
2日には事態打開への期待が高まった。マスード・ペゼシュキアン大統領は、モジタバ・ハメネイ最高指導者が交渉を行うための「一定の権限」を政府に与えたと明らかにした。
イラン国営メディアによると、ペゼシュキアン大統領はさらに、本格的な戦闘に戻ることなく米国との戦争を解決したい考えを示した。
この動きを受けて原油価格は一段と下落した。国際的な指標である北海ブレント原油先物は一時約6%急落し、1バレル=107ドルを割り込んだ。清算値は前週末比7%超安の104ドル台だった。
■米政権「平和的解決を望む」
マルコ・ルビオ米国務長官は週末、ドナルド・トランプ大統領は戦争を「外交的に」解決することを望んでいると述べた。
ルビオ長官は記者団に対し、交渉が続く間、トランプ大統領は判断を下していないと説明した。そのうえで、大統領の威嚇は「軍事的に何かをする必要があれば、それを実行する能力があり、成功に必要なものはすべてそろっているという、極めて強い自信」の表れだと語った。ただ、政権としては「平和的に実現することを望んでいる」と強調した。
トランプ大統領は、紛争は「いずれにせよ、ごく近いうちに」終わるとの見方を示した。「彼らが合意するか、我々が終わらせるかのどちらかだ」と付け加えた。
■ネタニヤフ氏は中間選挙後の攻撃を要求
一方、トランプ大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が、次の対応を巡って意見を異にしているとの報道もある。
米ニュースサイトのアクシオスは事情に詳しい関係者の話として、ネタニヤフ首相が3日の米中間選挙後にイランを共同で攻撃することを望んでいるのに対し、トランプ大統領は交渉の行方を見極めるため、より時間をかけることを望んでいると報じた。
■イスラエルではネタニヤフ氏退陣の可能性も
ただ、時間の経過はネタニヤフ首相の計画に別の課題をもたらす可能性がある。シオニスト系野党ブロックとアラブ系政党が連携して政権を樹立し、ネタニヤフ氏が退陣に追い込まれる可能性が高まっている。
10月27日に実施されたイスラエル総選挙(定数120)では、ネタニヤフ氏の与党ブロックを構成する政党が53議席、いわゆる「シオニスト系野党」ブロックが48議席を獲得した。アラブ系政党のラアム(8議席)と統一リスト(11議席)は計19議席を獲得し、いずれの陣営との政権樹立でもキャスチングボートを握る可能性がある。
英紙デーリー・テレグラフは10月31日、アラブ系政党がガディ・アイゼンコット元イスラエル軍参謀総長率いる野党ブロックの政権樹立を支持する見通しだと報じた。