【注目銘柄】メタプラネット、米大手運用会社が保有拡大――自社株買いと希薄化、株価回復の条件を探る

2026年10月25日 19:59

(日本インタビュ新聞社・編集部)

■議決権比率11.11%に上昇、約193億円の自社株買い実施、資本政策の評価が焦点

 メタプラネット<3350>(東証スタンダード)は、ビットコイン(BTC)の保有・運用を財務戦略の柱とする企業である。株式や社債による資金調達を通じてBTC保有量の拡大を図る一方、オプション取引を活用した収益事業、証券子会社を通じた金融サービスの開発、ホテル・メディア関連事業も手がける。投資家の間では、米大手運用会社による保有拡大と自社株買いを評価する見方がある一方、株式希薄化やBTC相場への依存を懸念する声もあり、今後の株価動向に関心が集まっている。

 10月23日の開示によると、米運用会社キャピタル・リサーチ・アンド・マネジメントの16日時点の保有普通株式は1億4330万1084株となり、9月8日時点から約14.2%増加した。議決権比率は9.32%から11.11%へ上昇。同社は従来から筆頭株主で、今回の比率上昇にはメタプラネットによる自社株買いの影響も含まれる。大手機関投資家による保有拡大は投資家心理の改善につながる可能性があるが、今後の買い増しや株価上昇を保証するものではない。

 資本政策では、額面520億円の無利息・無担保の転換社債型新株予約権付社債(CB)を10月29日に発行する予定。手取概算額約519億円のうち236億円をBTC担保借入金の返済、最大283億円を自己株式取得に充てる計画だ。14日には7398万1400株を約193億円で取得した。買戻しは1株当たり価値の向上に寄与する一方、CBの当初転換価額339円で全額転換された場合、約1億5339万株の潜在株式が発生する。借入金の利払い負担軽減と株式希薄化という両面を見極める必要がある。

■株価診断:短期は250円近辺の値固め、中長期はBTC保有価値と収益力が鍵

 短期的には、BTC相場と自社株買いの進展が株価を左右する。10月23日の取引では一時247円まで下落しており、当面は250円近辺で下値を固められるかが焦点となる。この水準を維持して買い需要が回復すれば、10月前半に取引された280~300円台が戻りの目安となる。一方、247円を下回る展開では売り圧力の強まりに警戒が必要だ。なお、339円はCBの転換価額であり、目標株価を示すものではない。

 中期的には、保有BTCの増加が普通株1株当たりの価値向上につながるかが重要となる。9月末時点の保有量は4万4000BTCに達したが、保有資産の時価だけで株価の割安・割高は判断できない。借入金や社債、優先株主の権利、潜在株式などを考慮した純資産価値との比較が欠かせない。株式時価総額とBTC純資産価値の関係を示すmNAVも判断材料となる。今後、希薄化を抑えながら1株当たりの実質的な資産価値を高められれば、株価の再評価につながる余地がある。

 長期的には、BTC相場に左右されにくい収益基盤の構築が課題となる。ビットコイン・インカム事業の2026年7~9月期売上高は8億4840万円と、4~6月期の17億4730万円から約51%減少した。オプション取引による収益の改善や証券事業の育成が進めば、資産保有だけに依存しない企業価値の形成が期待される。一方、BTC安や円高が長期化すれば、円換算の資産価値が低下し、資金調達環境にも影響する可能性がある。

 総合的にみると、短期は直近安値圏での需給改善、中期は希薄化を抑えた1株当たり資産価値の向上、長期はBTC保有戦略と収益事業の両立が株価回復の条件となる。米大手運用会社の保有拡大は前向きな材料だが、持続的な上昇には自社株買いの実績、財務負担の軽減、収益力の改善を確認する必要がある。(情報提供:日本インタビュ新聞社・編集部)

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