ファナックが通期予想を上方修正 安川電機と業績・配当を比較

2026年10月24日 14:12

 ファナックは10月23日、2027年3月期の通期業績予想を上方修正した。工場自動化や産業用ロボットを手掛ける同社について、安川電機と最低投資額、業績、株主還元を検証する。

 10月23日の株価は、ファナックが5,587円、安川電機が4,022円だった。100株の購入に必要な資金は、それぞれ約56万円、約40万円となる。両社の最低投資額には約16万円の差があり、ファナックは東京証券取引所が望ましいとする「50万円未満」の水準を上回る。

 ファナックの2027年3月期中間期(2026年4月〜9月)は、売上高が前年同期比16.2%増の4,737億円、営業利益が同35.7%増の1,167億円、最終利益が同41.0%増の1,126億円だった。中国やインドの設備投資需要に加え、米州や国内のロボット需要の回復が寄与した。

 10月23日に発表した2027年3月期の通期予想では、売上高を従来の9,481億円から1兆137億円、営業利益を2,180億円から2,407億円、最終利益を1,980億円から2,283億円へ引き上げた。修正後の会社予想は、売上高が前期比18.2%増、最終利益が同37.1%増となる。

 株主還元では、9月末を基準日とする中間配当を1株72.54円とし、前年同期の51.33円から増加した。さらに10月23日、自己株式を除く発行済み株式の1.08%に当たる1,000万株、500億円を上限とする自己株式取得を決めた。期末配当予想は未定としている。

 安川電機の2027年2月期中間期(2026年3月〜8月)は、売上高が前年同期比9.8%増の2,856億円、営業利益が同5.5%減の221億円、最終利益が同4.1%増の190億円だった。AI関連や半導体市場の需要が売上高を押し上げた一方、基幹システム移行に伴う生産・出荷への影響や間接費の増加、欧州の事業構造改革費用が利益を圧迫した。

 安川電機は10月9日、2027年2月期の通期予想について、売上高を5,800億円から6,000億円へ引き上げる一方、営業利益を600億円から575億円へ引き下げた。最終利益は470億円から475億円へ引き上げ、年間配当予想は中間36円、期末36円の72円を据え置いた。

 両社は産業用ロボットを手掛けるが、ファナックはCNCやロボマシン、安川電機はサーボモーターやインバーターにも強みを持つ。中国を含む世界の設備投資や為替の影響を受けやすい点は共通するものの、直近の利益動向には差がある。

 ファナックは業績予想の引き上げと自己株式取得、安川電機は低い最低投資額と年間72円の配当予想が特徴となる。ロボット株を選ぶ際は、AIや自動化への期待だけでなく、受注の持続性と利益率、株主還元を確認したい。(記事:林田孝治・記事一覧を見る)

関連記事

最新記事