ロシア・サマラ州の8観測所で10月の高温記録、23.4℃の地点も
2026年10月18日 14:08
ロシアの沿ボルガ水文気象環境監視局は2026年10月14日、サマラ州の8観測所で前日13日の日最高気温記録が更新されたと発表した。サマラとトリヤッチでは22.3℃、アグロスとキネリ・チェルカッスィでは23.4℃に達した。
ロシアでは2026年7月の全国平均気温が観測史上最高となり、9月も同月として2番目の高温を記録した。秋の個々の高温を理解するには、その時々の気圧配置と、長期的に進む温暖化の両方が手掛かりになる。
■サマラ州の8観測所で日別記録を更新
沿ボルガ水文気象環境監視局の発表によると、サマラの22.3℃は1997年の同日記録を1.5℃、トリヤッチの22.3℃は同年の記録を0.5℃上回った。チェルノ・ベルシヌィでは22.8℃となり、1997年の19.9℃から2.9℃上昇した。
アグロスとキネリ・チェルカッスィはいずれも23.4℃で、1997年の同日記録をそれぞれ1.9℃、0.5℃更新した。ノボデビチエでは21.3℃となり、2014年の記録を0.7℃上回った。
クリャブリノでは22.1℃、セルノボツクでは22.4℃を観測した。両地点とも1935年の同日記録を更新し、上回った幅はそれぞれ1.0℃、0.7℃だった。
これらは州内の複数地点で確認された高温である。同局はロシア連邦水文気象環境監視局、通称ロスギドロメトの地域機関で、サマラ、サラトフ、ウリヤノフスク、ペンザ、オレンブルクの5州を担当している。
■カザンでは2024年に101年ぶりの記録
ボルガ流域のタタールスタン共和国の首都カザンでも、2024年10月8日に日別の高温記録が更新された。タタールスタン共和国の気象当局によると、カザン観測所の日最高気温は22.4℃で、1923年の同日の21.1℃を101年ぶりに上回った。カザン空港の航空気象観測所では22.7℃を記録した。
気象データサイトInfoclimatが掲載する1991〜2020年の統計では、カザンの10月の日最高気温の平均は7.8℃である。22.4℃は、この10月全体の平均を14.6℃上回る暖かさだった。
カザンには長期の気象観測の蓄積もある。カザン連邦大学の研究論文では、同大学の気象観測所に1828年以降の連続した気温観測系列が保存されているとされる。
地元放送局TNVは2024年10月、同大学のユーリー・ペレベデンツェフ教授がタタール・インフォルムへの取材で、地域に長く居座ったブロッキング高気圧が秋の乾燥をもたらしたと説明したことを報じた。高気圧の停滞は、秋の天候を考えるうえでも重要な要素だ。
■夏と9月にも各地で高温
2026年夏には、ボルガ流域やウラル地方で厳しい暑さが観測された。ロシア紙アーグメンティ・イ・ファクティは7月下旬、サマラ、サラトフ、ボルゴグラード、オレンブルクの各州で猛暑となり、一部で40℃に達したと報じた。同紙は、欧州ロシア南部に停滞した高気圧を背景として挙げている。
ロスギドロメトの7月25〜27日の気象概況でも、サラトフ、アストラハン、ボルゴグラードの各州で25〜26日に最高41℃の猛暑を確認している。ボルゴグラード州は南部連邦管区に属し、沿ボルガ連邦管区の外にも高温が広がった。
ペルミでは7月26日に32.8℃を観測した。地元メディア59.ruによると、気象研究者アンドレイ・シホフ氏は、1971年の同日記録32.6℃を0.2℃上回ったと説明している。
インタファクス通信がロシア水文気象センターの発表として報じたところでは、2026年7月は1891年以降の全国の観測で最も暖かい7月となった。2010年に記録され、2024年に並んだ従来の最高値を上回り、特にアジア側の高温が全国平均を押し上げた。
同センターは10月7日、2026年9月の全国平均気温が、2020年9月に次いで観測史上2番目に高かったと発表した。ボルガ地方では月平均気温が平年を2〜3℃上回り、欧州ロシア全体では3番目に暖かい9月となった。
■天候を長引かせるブロッキング高気圧
ブロッキングは、上空の偏西風が大きく蛇行し、高気圧などの配置が長期間停滞する現象だ。気象庁の解説では、ブロッキング高気圧が1週間以上居座り、移動性の高気圧や低気圧の東進を妨げることがある。
英国気象庁によると、こうした高気圧は前線の進路を変え、同じ地域に乾燥した穏やかな天候を数日から数週間続かせる。上空を流れるジェット気流の位置や強さも、気圧配置の停滞に関わる。
高気圧の下では空気が下降し、圧縮されて暖まる。雲ができにくく、晴天時には地表が日射で暖められるため、高温が続く条件になる。周囲から流れ込む空気の性質や季節によっても、その地域の気温は変わる。
沿ボルガ水文気象環境監視局は2026年10月9日の予報で、週末のボルガ地方は大西洋から進む低気圧の暖域に入り、翌週初めには南から張り出す高気圧の尾根によって雲が減り、気温が高くなると説明していた。低気圧に伴う暖気の流入と、高気圧に覆われる時期の双方が、秋の暖かさに関わっている。
ロシア科学アカデミー・オブホフ大気物理研究所のアレクサンドル・チェルノクルスキー副所長は、2025年7月のイズベスチヤの取材で、今後の欧州ロシアではブロッキングに伴う暑さや寒さが天候を左右する機会が増えるとの見通しを示した。夏が長くなり、9月前半にも夏のような気候が広がると述べている。
■長期的な温暖化と北極域の変化
ロスギドロメトの2025年気候報告によると、1976〜2025年のロシアの年平均気温は、10年当たり0.51℃の割合で上昇した。季節別では秋が0.53℃、春が0.64℃で、沿ボルガ連邦管区の秋は0.60℃だった。
同報告では、2025年の全国年平均気温は1991〜2020年の平均を1.24℃上回り、2020年に次ぐ高温となった。ロシア水文気象センターの年次概況では、沿ボルガ連邦管区の年平均気温が過去最高となり、中央連邦管区は2番目だった。
モスクワ・タイムズが同報告を紹介した記事によると、極東を除くすべての連邦管区で、2025年の平均気温が1936年以降の上位5位以内に入った。日々の最高気温に加え、季節や年を通じた平均気温にも高温が表れている。
北極評議会によると、ロシアは北極海の沿岸線の53%を占める。北極域では、世界平均より速い温暖化を指す「北極域増幅」が進んでいる。海氷が減って海面が露出すると、太陽光の吸収が増え、さらなる温暖化や融解を促す。
Newsweekが2022年10月に報じたところでは、ボエイコフ主要地球物理観測所のウラジーミル・カッツォフ氏は、ロシアの温暖化速度を世界全体の約2.5倍と説明した。その理由として、陸地が海洋より温まりやすいことと、国土の一部が北極域に位置することを挙げている。
長期的な秋の変化について、当時WWFロシアの気候・エネルギープログラムを率いていたアレクセイ・ココリン氏は、2020年にモスクワ・タイムズの取材で、その後10年間のロシアの秋は前の10年間より暖かくなるとの見通しを示した。気温、降水、風の変動が大きくなるとも述べていた。
元記事: TRussia Heat Records Expose October Warming Pattern as Blocking Anticyclones Take Hold