OpenAIが安全性研究者3人を解雇、外部団体への情報共有が理由か
2026年10月3日 11:44
OpenAIは、機微な社内情報の取り扱いが社内規定に違反したとして、安全性関連の業務に携わっていた3人との雇用関係を終了した。The Wall Street Journalは、社外のAI安全性団体への情報共有が関係していると報じている。共有された資料の内容と団体名は公表されていない。
■解雇された3人とOpenAIの説明
OpenAIは取材に対し、3人が定められた手続きを外れて機微な情報を扱ったことを社内調査で確認したと説明した。同社は、情報へのアクセスと取り扱いに関する規定に違反し、業務に必要な信頼を損なったとしている。
The InformationがOpenAIの広報担当者に確認したところ、対象者はAIの安全性を担当する研究者、AIのアラインメントを担当する研究者、アラインメント分野の研究プログラムマネジャーの各1人だった。アラインメントは、AIの振る舞いを人間の意図や目標に沿わせるための研究分野を指す。
The Wall Street Journalは関係者への取材に基づき、3人をJasmine Wang、Tomek Korbak、Mikita Balesniと報じた。OpenAIは氏名を公表しておらず、報道された3人それぞれの行為の詳細も明らかにしていない。
■外部団体への情報共有を報道
The Wall Street Journalによると、問題とされた行為には、社外のAI安全性団体への機密情報の共有が含まれる。OpenAIは情報の種類や共有先を明らかにしていないため、同社の説明で確認できる規定違反の内容と、報道による共有先の情報は分けて捉える必要がある。
AIの安全性研究では、開発企業の外部にいる専門家もモデルの評価に関わる。OpenAI自身も、2026年7月に公表したHugging Faceでのセキュリティー事案への対応で、METRとRedwood Researchによる第三者評価を進めると説明した。今回報じられた情報共有の相手として、この2団体が挙げられているわけではない。
OpenAIが2026年1月に公表した懸念表明に関する方針には、安全性を巡る懸念を社内窓口や行政当局に報告できることが記されている。同社は善意による報告への報復を禁じる一方、保護される開示を除き、機密情報の取り扱いには規定を適用すると説明している。
■過去の離職と安全性研究の経緯
OpenAIでは2024年にも、安全性研究に携わったLeopold Aschenbrennerが解雇された。同氏はその後のインタビューで、安全性やセキュリティーに関する自作の文書を、意見を求めるため社外の研究者3人と共有したと説明した。
同じ年、Ilya SutskeverとSuperalignmentチームを共同で率いたJan Leikeが退職した。Leikeは、安全性に関する文化や手続きより製品開発が優先され、チームが研究に必要な計算資源の確保にも苦労していたと述べた。OpenAIは2023年に、超知能AIのアラインメント問題を4年以内に解く目標を掲げて同チームを設立していた。
2024年には、Superalignmentを独立したチームとして維持せず、その研究を他の部門に統合するとOpenAIが説明した。Axiosは2026年2月、OpenAIとAnthropicの研究者の退職や安全性への懸念表明を報じている。こうした経緯を背景に、研究者が安全性への懸念をどう伝え、企業が機微情報をどう管理するかが引き続き議論されている。
■開発ペースと外部評価を巡る発言
AnthropicのCEO、Dario Amodeiは2026年9月、最先端AIの開発ペースを抑え、安全対策を進めるよう呼びかけた。OpenAIのCEO、Sam Altmanもその考えに賛同し、外部の評価者にアクセスを提供する方針を示した。
今回の解雇について、OpenAIが説明しているのは機微情報の取り扱いに関する社内調査の結果だ。外部評価の推進と社内情報の管理は、ともに同社の安全性研究に関わる。報じられた情報共有の具体的な経緯は、今後の説明を待つことになる。
元記事: OpenAI Fires 3 Safety Researchers For Allegedly Sharing Info to External Safety Groups, Says Report