中国EVの超急速充電、吉利は10~97%を8分40秒と発表 普及の鍵は充電網
2026年9月29日 14:22
中国の電気自動車(EV)メーカーが、充電時間の短縮を競っている。吉利汽車(Geely)とBYDは、対応車両を使った10~97%の充電時間を9分前後と発表した。一方、こうした速さを幅広い場所で利用するには、車両と充電設備の両方が対応する必要がある。
■吉利とBYDが示した充電速度
吉利汽車は2026年9月、最大出力2250kWの第5世代充電設備と、AIを使った充電制御技術を発表した。同社によると、Lynk & Co 10とZeekr 001に使われる電池の試験では、残量10%から70%まで4分30秒、97%まで8分40秒で充電した。
BYDは同年3月、「第2世代ブレードバッテリー」と急速充電技術「FLASH Charging」を発表した。同社によると、最大出力1500kWの充電設備と対応する電池の組み合わせで、残量10%から70%まで最短5分、97%まで9分で充電できる。英国ではDENZA Z9 GTを使った実演も行った。
Li AutoのEV「Li MEGA」には、CATLと共同開発した「麒麟5C電池」が搭載されている。同社は、自社の5C充電設備を使うと、12分間で中国のCLTC基準による航続距離500km分を充電できるとしている。充電量を示す割合と追加される航続距離は指標が異なるため、各社の発表値は条件とともに見る必要がある。
■高出力充電を支える熱管理
短時間に大きな電力を電池へ送るには、温度上昇を管理しなければならない。高温状態が続けば電池の劣化や安全性に影響し得るため、充電設備から車両側までの冷却と、電池が受け入れる電力の制御が重要になる。
吉利汽車は、充電設備の蓄電池、充電器、ケーブル、車両の充電口、電池パックを対象とする液冷システムを採用したと説明する。AIで電池温度を最大30秒先まで予測し、充電電力を調整するという。
同社はセルを短くした新型電池も発表し、構造の改良によって充電時の発熱を抑えるとしている。充電速度の向上には、充電器の最大出力だけでなく、電池の設計や温度管理も関わる。
■充電網の整備と電力需要
メガワット級の充電設備を広げるには、拠点ごとの電力供給も課題となる。BYDは、設備に併設した蓄電池へ比較的低い出力で電力をため、車両への充電時に高出力で放電する方式を示している。同社は太陽光発電、蓄電、充電を組み合わせる構想も公表した。
BYDは2026年末までに中国国内でFLASH Chargingステーション2万基を整備する計画を発表し、同年8月には1万基目の完成を公表した。AP通信が伝えたドイツ銀行の分析では、2027年に3万基、2028年に4万基を追加し、累計9万基に達するとの見通しが示されている。英国ではBYDが、2026年末までに充電器300台を設置する計画だ。
充電以外では、電池交換も待ち時間を短縮する手段となる。NIOは2026年2月時点で世界に3790カ所の電池交換拠点を展開し、交換にかかる時間は平均約3分としている。中国EV市場では、充電速度に加え、その速さを使える場所を増やす競争も進んでいる。
元記事: China’s EV Makers Race to Beat Tesla With Ultra-Fast Charging In Under 10 Minutes