東京エレクトロンが1株を5株に分割―アドバンテスト・SCREENと比較

2026年9月12日 08:52

 東京エレクトロンは2026年9月末を基準日として、10月1日付で1株を5株に分割する。AI向け半導体需要を背景に注目される半導体製造装置株について、アドバンテスト、SCREENと業績や事業内容を比較する。

 9月10日の株価は、東京エレクトロンが5万2,810円、アドバンテストが3万3,920円、SCREENが1万3,040円だった。100株の購入に必要な資金は、それぞれ約528万円、約339万円、約130万円となる。現在の株価が変わらないと仮定すると、分割後の東京エレクトロンは約106万円で100株を購入できる。

 最低投資額は大きく下がるものの、東京証券取引所が望ましい投資単位として示す50万円未満と比べれば、分割後も高い。株式分割で企業価値や保有株式の実質的な価値が変わるわけでもない。投資判断では、AI向け設備投資の継続性や株価水準も確認したい。

 東京エレクトロンは、成膜、塗布・現像、エッチング、洗浄など、半導体の前工程で使われる製造装置を幅広く展開する。2027年3月期第1四半期は、売上高が7,324億円、営業利益が2,114億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が1,643億円だった。

 AIサーバー向け半導体では、微細化や構造の複雑化が進み、製造装置の需要拡大が期待される。一方、中国向け売上高の比率や輸出規制の影響には注意が必要だ。半導体メーカーの設備投資が減速すれば、装置需要が変動する可能性もある。

 アドバンテストは、製造された半導体の動作を検査するテスト装置を手掛ける。第1四半期は、売上高が3,675億円、営業利益が1,900億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が1,748億円だった。生成AI向けの高性能半導体やHBMの複雑化により、検査工程の重要性が高まっている。

 半導体の性能向上に伴って検査時間が長くなり、テスト装置の需要増加につながる点が強みだ。ただし、東京エレクトロンの株式分割後で比較するなら9月10日時点の株価を基準とした最低投資額は3社で最も高い。AI需要への期待が株価にどこまで織り込まれているかも確認したい。

 SCREENは、半導体ウエハーの表面から微細な汚れを除去する洗浄装置を主力とする。第1四半期は、売上高が1,218億円、営業利益が144億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が105億円だった。3社では最低投資額が最も低いが、100株の購入には約130万円が必要となる。

 東京エレクトロンは前工程装置の幅広さ、アドバンテストはテスト装置、SCREENは洗浄装置が特徴だ。いずれもAI投資拡大の恩恵を受ける一方、強みを持つ工程と業績を左右する要因は異なる。

 東京エレクトロンの株式分割によって、分割後は東京エレクトロンの最低投資額が3社で最も低くなる。分割後の買いやすさに加え、設備投資や中国向け販売、各社が強みを持つ工程が、半導体製造装置株を選ぶ際の判断材料になりそうだ。(記事:林田孝治・記事一覧を見る

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