【注目銘柄】大日精化は業績上方修正・純利益増益転換を手掛かりにバリュー株買い再燃
2026年9月10日 08:06
■国内自動車生産増でコンパウンド堅調、価格転嫁も寄与し通期純利益は増益転換
大日精化工業<4116>(東証プライム)は、前日9日に29円高の1313円と4営業日ぶりに急反発して引け、今年8月27日につけた株式分割の権利落ち後高値1416円を視野に入れた。今年8月6日に発表した今2027年3月期第2四半期(2026年4月~9月期、2Q)累計業績と3月期通期業績の上方修正が改めて見直され、通期純利益が期初の減益予想から増益へ転換するとしてバリュー株買いが再燃した。テクニカル面でも、分割権利落ち後高値を更新する過程で25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現し、上昇トレンドへの転換を示唆した。このところの高値もみ合いでも25日線水準で下げ渋っていることが手掛かり材料視されている。
■国内自動車生産増でコンパウンド堅調、価格転嫁も寄与
業績上方修正のうち今3月期通期業績は、期初予想に比べ売り上げを52億円、営業利益を31億円、経常利益を29億円、純利益を21億円それぞれ引き上げ、売り上げ1318億円(前期比6.0%増)、営業利益115億円(同51.1%増)、経常利益124億円(同46.1%増)、純利益87億円(同7.4%増)と見込み、連続増収・増益率を伸ばす。国内自動車生産の増加でコンパウンド・着色剤が堅調に推移し、情報電子業界向けでは液晶ディスプレイ製品の顔料も好調が続いた。原材料価格の高騰に対して価格転嫁を進めたほか、価格高騰前に仕入れた原材料在庫の消費による一時的な利益押し上げ効果も寄与した。
■純利益は減益予想から増益へ、下期据え置きで再上振れ余地も
純利益は、2025年3月期に旧川口製造所の固定資産売却益77億6100万円、2026年3月期に投資有価証券売却益28億1200万円などを計上した反動から、期初には連続減益を見込んでいたが、これをカバーして増益へ転換する。また今回の上方修正では、2Q累計業績の上方修正額と通期業績の上方修正額が同額となっている。中東情勢の動向などにより第3四半期(3Q)以降の業績推移が不透明として、2Q累計業績のみを上方修正し、下半期業績は期初予想を据え置いたためで、今後の推移次第では業績の再上振れ余地も残る。今期配当は、旧川口製造所の固定資産売却益を原資とする特別配当を含め、年間55円(前期は株式分割前ベースで220円)を継続予定である。
■PER10倍、PBR0.6倍で割安修正の再開を探る
株価は、株式分割(1株を4株に分割、基準日2026年3月31日)に加え、前期業績の再上方修正、再増配が続き、年初来高値5060円まで約1000円高し、4515円で分割権利を落とした。権利落ち後は理論価格を下回る981円まで売られたが、下げ過ぎとしてリバウンドし、今期業績の上方修正とともに権利落ち後高値1416円まで約4割高した。この上昇過程で25日線が75日線を上抜くGCを示現し、足元では25日線で下値を確かめる高値調整が続いている。PERは10.3倍、PBRは0.6倍、配当利回りは4.18%となお割安であり、分割権利落ち後高値を奪回すれば、一段の上値チャレンジに弾みがつきそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)