北海道新幹線の談合疑惑で建設株に売り圧力 ゼネコン業界に波及懸念

2026年5月26日 14:22

●北海道新幹線の工事の談合でゼネコン株などが下落

 北海道新幹線の軌道敷設工事で談合した疑いが強まったとして、19日に独占禁止法違反容疑で建設会社9社と発注者である独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」に立ち入り検査が入った。

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 北海道新幹線は現在、新函館北斗から札幌までの延伸を予定している。

 立ち入り検査を受けた東鉄工業や名鉄工業の株価は報道後、約3%~5%下落し、発注元の親会社であるJR東日本やJR東海も約1%、立ち入り検査の対象外のスーパーゼネコン4社も約5%~8%下落した。

 もし談合が認定されれば、関連企業に対して、巨額の課徴金や違約金の支払い、指名停止などでの受注損失といった影響が考えられる。

 関連企業も含めた建設株全体への損失となるだろうか?

●思い出されるリニア談合の悪夢

 2014年から2015年にかけて、スーパーゼネコン4社が結託し、品川駅や名古屋駅の新設工事で事前に受注者を決める事件があった。

 大林組と清水建設は起訴内容を認め、2020年に罰金刑が確定し、営業停止処分を受けた。

 発覚直後に、大林組が一時7.2%、清水建設、鹿島、大成も約4~5%、株価が下落した。

 発注元のJR東海は大きな影響を受けなかったが、営業停止処分などによる工事の遅延や総工事費の高騰などが嫌気され、株価は約5%下落した。

●北海道新幹線談合だけではない、建設業界を取り巻く悪材料

 北海道新幹線の談合は、他工区の大型案件への波及が懸念される。

 ただそれ以上に、総事業費は当初見込みの倍以上に膨張しており、受注側の収益圧迫が大きな課題となっている。

 ゼネコンだけでなく、日本の建設業界は多くの悪材料に見舞われている。

 円安・中東情勢の悪化により、資材・部材の高騰や調達できない状況が発生し、着工や納期が遅れることが問題となっている。

 慢性的な人手不足の問題も、2024年から適用された時間外労働の上限規制により、これまで以上に人的・時間的な余裕がなくなっている。

 日銀の利上げ観測が出ていることも、巨額の運転資金を動かすゼネコンをはじめとする建設業界には大きな痛手となりかねない。

 ゼネコン株はPER約15倍前後、PBRも約1.5倍前後で割安株ではあるが、安易には買いづらい状況だ。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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