フジクラショック、水素不足の真相 固有問題か業界リスクか

2026年5月23日 17:57

■フジクラショック最大の要因は「水素不足」

 5月14日、AIデータセンター関連銘柄の大本命と目されていたフジクラの株価が、ストップ安となった。その後も下落の勢いは止まらず、5日間で4,000円近くの暴落となり、4月9日の高値更新から始まった暴騰劇は5日間で吹っ飛んだ形である。

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 今回の急落相場は、フジクラの業績見通しが市場予測を下回ったことが発端だが、その最大の要因は「水素供給不足」である。高品質の光ファイバー製造のためには高濃度水素が必要だが、この水素の供給が追いついておらず、大量の光ファイバー需要に対して水素が不足していると言うのだ。

 つまり注文は大量に来るものの、水素不足により大量の注文を捌ききれそうにないと言うのが、実情と思われる。

■AIデータセンター特需による世界的な水素不足

 今回のフジクラの決算説明会で大ニュースとなった水素供給不足問題は、何も今に始まった話ではなく、AIデータセンター特需という世界的な潮流が登場した時から予見された問題である。

 高濃度水素が必要なのは光ファイバーだけではなく、高品質半導体製造にもさらに高い濃度の水素が必要となる。AIデータセンターには、多くの半導体とサーバー、そしてそれらをつなぐための高品質な光ファイバーが大量に必要になる。

 AIデータセンター特需の裏側では、すでに水素供給不足問題は発生しており、世界的な高濃度水素争奪戦が始まっていた。

■本当にフジクラ固有の問題なのか

 AI関連銘柄の大本命とも言われたフジクラが暴落する一方、他のAI関連銘柄やフジクラとともに電線3社と言われる光ファイバー製造メーカーの古河電工、住友電工の株価は依然として堅調に推移している。

 市場では今回の「水素問題」は、フジクラ固有の問題であると判断しているのである。

 一説によると、水素製造装置のメンテナンスが主因であり、比較的短期間でこの問題は解消されるだろうとも予測されている。果たして本当にそうだろうか?そんなことでここまで株価が下落するというのは、不可思議である。

 水素自動車に乗っている人には分かり易いだろうが、首都圏・東海地区中心に展開されている水素ステーションでは、法定点検という定期メンテと、装置不具合から起こる突発的なメンテがある。しかしこれらのメンテは、ある程度予測できるものであり、対策は可能なはずだ。

 であるとするならば、想定を超える需要が発生していたということだろうが、フジクラ固有の問題とは考えにくい。

■100日移動平均線でサポートされた株価

 急落したフジクラの株価だが、急落から5日目に100日移動平均線でサポートされた。フジクラは過去にも2025年12月、2026年1月と100日移動平均線にサポートされている。ここには日足の一目均衡表の雲の下限もあり、強いサポートラインがあるものと思われる。

 また、AIデータセンター大本命として急騰開始前の水準が4,500円前後であったこともあり、強く意識されるはずだ。ここから反発するのか、あるいは下抜けするのか、今後のAI関連銘柄、ひいては日経平均を占ううえでも重要なポイントとして注目される。

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