逆風の中、三菱マテリアル株好調の要因は?
2026年3月20日 11:40
●三菱マテリアルがストップ高
大手総合素材メーカーの三菱マテリアルの株価が、3月18日にストップ高を記録した。18日は日経平均も1500円高と5日ぶりの反発があったが、中東情勢を巡り市場が逆風の中、強さを見せている。
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この日は、19日開催の日米首脳会談において、米インディアナ州でのレアアースやリチウム、銅の共同開発で合意することが日本経済新聞で報じられたことが好感された。
三菱マテリアルは逆風相場の中、好調を維持できるのか?
●レアアースだけでない三菱マテリアル好調の要因
中国依存度を下げるため、日米両政府はレアアースだけでなく、銅の共同開発も検討しており、三菱マテリアルに期待がかかる。
同社は米国の銅精錬プロジェクトにも参加を検討している。銅はEV(電気自動車)だけでなく、データンセンターにも不可欠であり、レアアースと同様にAI(人工知能)、EV関連株としても知られる。
三菱マテリアルは三菱連続製銅法(三菱法)という世界で唯一の製法を持つ。
期待だけが先行しているわけではなく、2026年3月期は26%増益の760億円に業績が上方修正され、春闘でも要求の満額となるベア(ベースアップ)を回答するなど、業績も好調である。
●米国市場にいかに食い込めるか?
三菱マテリアルは、南鳥島沖でのレアアース国産化にも期待がかかる。政府の後押しを受けて米国市場に食い込み、いかに成長できるかが注目される。
環境規制が厳しい米国では、密閉構造でガス漏れがほとんどない三菱法は認可が得やすい。
E-Scrap(都市鉱山)の処理能力に強みがあり、三菱マテリアルは世界シェア20%を誇る。世界最大の電子機器消費大国の米国で市場を拡大すれば、さらにシェアを高めることができる。
米国が注力する半導体の国内生産(CHIPS法)では、米国内の半導体メーカーにも高純度なターゲット材や耐熱部品を供給しており、さらに強固なパイプとなる可能性がある。
三菱マテリアルだけの盛衰だけでなく、日米両国の国家の浮沈も握っていると言っても過言ではない。
長期的な計画が多く、結果を出すには時間がかかるかもしれないが、期待は大きい。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)