バーリ氏の空売りは、AIブーム終焉のサインなのか!?

2025年11月7日 14:11

●著名投資家バーリ氏が空売り仕掛けで急落

 著名投資家マイケル・バーリ氏率いるサイオン・アセット・マネジメントが、米AI関連株に空売りを仕掛けた。

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 米パランティアとエヌビディアのプットオプションをそれぞれ500万枚、100万枚を取得。パランティアは直前に好決算を発表した矢先だった。

 4日の株式市場ではパランティアが約8%安、エヌビディアも約2.2%下落した。

 ハイテク株中心に売りが広がり、NYダウも一時300ドル安となり、5日の日経平均もハイテク株中心に売られ、一時5万円を割り込むなど、終値は1300円近くの下落となった

 韓国もサムソン電子やSKハイニックなどに売りが広がるなど、“バーリショック”となった。

 「世紀の空売り」で知られ、映画「マネーショート」のモデルになったバーリ氏の空売りには、AI・半導体ブームによる上昇相場の終焉を警戒する声も高まっている。

●バーリ氏の動き

 バーリ氏は、2022年5月には著しく高騰した資産バブルに警鐘を鳴らし、2023年には2月のFOMC前の1月31日に一言「売れ」とツイートしたことが波紋を広げた。その年の3月に判断ミスと認めている。

 2023年の第2四半期にも、S&P500とナスダック100のETFのプットオプション15億ドルを購入したが、失敗に終わっている。

 最近では、10月終わりにも「時に私たちはバブルを見ることがある」とX(旧ツイッター)に投稿し、小口投資家に対し、警鐘を鳴らしている。

●バーリ氏の影響力が弱まっている?

 ここ数年、バーリ氏が空売りする度に住宅バブルの崩壊やリーマンショックの再来を予感する声が大きいが、実際には数日で元に戻っている。

 バーリ氏のポートフォリオは、パランティアとエヌビディアが下落すれば儲かるように掛けている。

 ただ4日の暴落の翌日には米国株も戻る動きがあり、6日は韓国株や日経平均も戻した。

 バーリ氏は「大ホームランを打つが空振りも多い」と知られており、その売り仕掛けは、失敗することも多い。

 ただし同じタイミングで、モルガン・スタンレーとゴールドマンサックスのCEOも「株式市場が10~15%の調整が起きる可能性」を指摘しており、バブルへの警戒は高まっていると考えた方がいいだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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