新機軸が着実に伸びる感のグンゼ、進行中の中計に目を向けたい
2025年9月23日 11:15
グンゼ(3002、東証プライム市場)。会社四季報の「特色欄」「材料欄」からは、当該企業の歴史を知ることができると今回改めて思った。
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いまから四半世紀余前の1989年第4集号でグンゼは【メリヤス肌着でトップ、ブランド強力、安定経営、総合アパレルへ展開中、生糸から撤収】、【米国に透明タッチパネル合弁設立、初年度売上げ三億円強】と記されていた。
対して最新号は【紳士肌着首位。機能性繊維、電子機能材料、メディカルも成長。不動産事業も手掛ける】、【アパレル3工場、物流拠点閉鎖へ。配転、希望退職も。韓国企業と国内独占販売契約の皮膚病の紫外線治療装置を発売】。
グンゼはいま、「創りかえる」と謳った至2028年3月期の中計を進めている。「売上高1400億円(25年3月期比2.1%増)、営業利益125億円(58%増益)」を掲げており、事業別に以下のような計画を示している。
「機能性ソリューション(プラスチックフィルムやOA機器向け等エンジニアリングプラスチック):売上高540億円(3.4%増収)、営業利益88億円(22.2%増益)」-「メディカル(癒着防止剤や骨接合剤など吸収性製品):190億円(47.3%増収)、39億円(62.5%増益)」-「アパレル:541億円(11%減収、23億円(3.29倍)」-「ライフクリエイト(不動産関連):138億円(15%増収)、14億円(56.6%増益)」。
ことアパレル事業に関しては「円安もあるが、減産による原価高や人件費増。対してレディースインナーなど好付加価値な差別化商品で対応」と、ターニングポイントを迎えている、というのが現状。
こうした流れを強めている過去3期間(23年3月期~25年3月期)の収益動向は、「9.4%増収、19.1%営業増益」-「2.3%減収、16.6%増益」-「3.2%増収、16.9%増益」。今3月期は「2.1%増収(1400億円)、7.3%増益(85億円)」計画。
株価も着実な展開。本稿作成中の株価の時価は3800円台入り口。予想税引き後配当利回り4.54%もあり、予想PER44/13倍と人気もある。過去9年9か月の修正株価パフォーマンス2.14倍を勘案すると、中長期構えで対応と捉えることもできるが・・・。
だが裏側から考えると、年初来安値2283円(4月7日)から高値4025円(8月6日)まで買い直され時価は高値ゾーン。かつIFIS目標平均株価は3775円。押し目買いで中長期構えの更なる押し目待ち・・・も一法か。(記事:千葉明・記事一覧を見る)