京都駅前に和太鼓集団の専用劇場、2026年春開業へ 訪日外国人客を狙い

2025年9月20日 09:15

 野村不動産とタオ・エンターテイメント、JTBコミュニケーションデザイン、野村不動産コマースは、京都駅八条口前の複合施設「京都アバンティ」(京都市南区東九条)で、2026年春に和太鼓パフォーマンス集団「ドラムタオ」の専用劇場を開設する。年間1,000万人を超す京都市の訪日外国人客に狙いを定め、夜の観光需要取り込みを目指す。

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 専用劇場は約320席。京都アバンティ9階にあった龍谷大学のホールを3月、野村不動産が取得していた。ドラムタオが常設のロングラン公演を年間通じて開き、迫力満点のパフォーマンスを中規模劇場ならではの臨場感とともに展開する。公演は主にナイトショーの形で行い、日中に京都観光を楽しんだ訪日客を集める考え。プロモーションと施設運営はJTBコミュニケーションデザインが協力する。

 ドラムタオは、大分県竹田市を拠点に活動する和太鼓パフォーマンス集団。和太鼓と篠笛、琴などの演奏に殺陣を組み合わせたパフォーマンスで知られる。結成は1993年。国内だけでなく、海外ツアーも度々開催し、世界31の国と地域で1,000万人の観客動員を達成している。常設の室内劇場は初めて。

 京都市を訪れた訪日客は2024年、市の調べで1,088万人に達した。対前年比53%増で、コロナ禍前の2019年も上回って過去最高となった。嵐山(右京区)や祇園、清水寺(ともに東山区)など有名観光地は訪日客であふれているが、夜の観光を求める声が上がっていた。

 京都駅周辺では、京都市立芸術大学が西京区から移転してきたほか、日本郵便とJR西日本が京都中央郵便局と京都駅ビル西第2駐車場を再開発して複合施設を建設する計画を進め、JR東海もホテルを2026年度に開業予定なうえ、オフィスと商業施設による複合施設を整備する方針。訪日客の増加を背景に開発ラッシュの様相が続いている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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