高島屋と阪急阪神百貨店が業務提携を深化 市場開発や社会課題解決分野でも

2025年9月12日 09:28

 百貨店大手の高島屋と阪急阪神百貨店は2009年から進める業務提携を深化させ、これまで推進してきた営業力強化やコスト削減、SDGsに加え、市場開発や社会課題の解決分野でも取り組みを始めた。9月24日からは高島屋、阪急阪神百貨店の4店舗で全国各地の地場産業や伝統工芸の活性化を目指す共同キャンペーンを展開する。

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 新たに注力するポイントは、消費者が求める商品を適切な価格、適切なタイミングで提供するマーチャンダイジング(MD)のサイクル見直しと、新たな市場創出に向けた日本各地の産地との共創。

 マーチャンダイジングサイクルの見直しでは、夏の長期化を受けて夏物商材の正価販売期間を拡大し、6月下旬からを「盛夏MD」、8月中旬からを「晩夏MD」として短いサイクルで夏物商材を売り場へ投入している。短いサイクルで季節に応じた商材を投入するのがファッションを盛り上げるのに求められる方向性だとして秋冬商材へも導入する。

 新たな市場創出に向けた産地との共創では、国内外に向けた日本文化の発信に取り組み、衰退が続く地場産業、伝統工芸の活性化を目指す。これに伴い、「日本の美と技を未来につなぐ」と題した共同キャンペーンを実施する。

 キャンペーンの会場は高島屋大阪店(大阪市中央区)、日本橋店(東京都中央区)、阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪(ともに大阪市北区)。開催期間は高島屋の2店が9月30日まで、阪急阪神百貨店の2店が10月7日まで開催する。

 高島屋大阪店では歌舞伎の舞台背景製作技術を用いたアートを展示、日本橋店ではものづくりにこだわるブランドや作り手を紹介する。阪急うめだ本店では、自然素材を生かして物語性のある壁をつくる岐阜県高山市の左官職人にスポットを当てる。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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