京都駅東南部に新たな芸術拠点、NTT都市開発が体験型アートセンター着工
2025年7月26日 11:21
NTT都市開発は、京都駅東南部エリアの市有地で、体験型アートセンターを核とする芸術拠点(京都市南区東九条東岩本町)の整備に着工した。南側の隣接地で10月にオープン予定の常設アートミュージアム「チームラボバイオヴォルテックス京都」とともに、開発が遅れていたエリアを若者と芸術の街に変える。施設は2026年6月に完成する予定で、2026年冬の開業を目標にしている。
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芸術拠点は、鉄骨2階建て延べ約1,400平方メートル。1階は米ニューヨークのアートギャラリー「ペース」が進める国際的な新アート事業「スーパーブルー」が、体験型アートセンターの「スーパーブルー京都」を開設する。2階は伝統工芸や地域事業者の商材、学生や若手アーチストの芸術作品を展示するギャラリーを入れる。
スーパーブルーは、ジェームズ・タレルさんやニック・ケイヴさん、名和晃平さんら体験型アートの第一人者が顔をそろえ、チームラボも一員に加わっている。息をのむような鏡張りの迷路を探索し、滝や季節の花と触れ合うなど、荘厳なデジタル世界に没入する体験が待っている。
京都駅周辺は、四条河原町と並ぶ京都市を代表する繁華街だが、駅の東側は改良住宅が並んで在日コリアンが多数居住する地域があり、開発が遅れていた。京都市はいわれなき差別をなくし、京都市の一等地を発展させる目的で、この地域を住民と共生した若者と芸術の街にする方針を打ち出した。
2013年には西京区にあった京都市立芸術大が、JR琵琶湖線や東海道新幹線の北側にある下京区崇仁地区に移転したほか、線路南側の南区東九条の市有地に芸術関係施設の誘致を進めていた。地域は道路の拡幅や古い住宅の建て替えが進み、都心部らしい姿に少しずつ変わりつつある。(記事:高田泰・記事一覧を見る)