再生医療分野の投資に積極姿勢を強める:ロート製薬!

2025年7月23日 10:19

 18日の日刊薬業web版が『メディカル事業に積極投資/ロート製薬・瀬木社長』の見出しで、記事を配信した。「メディカル事業」に目をひかれ、ロート製薬(4527、東証プライム市場)を覗き込んでみた。

【こちらも】海外戦略に拍車:ヨネックス、外国人投資家から低配当性向是正の声が大きいのではないか!?

 2022年3月期に新会計基準を導入。23年3月期以降の収益動向は、「19.5%増収、17.0%営業増益、36円配」「13.5%増収、17.9%増益、27円配(23年1月に1対2の株式分割、実質増配)」「14.0%増収、2.8%減益、36円配」。

 そして今6月期は「8.4%増収、0.2%増益、6円増配42円配」計画。四季報の業績欄の見出しは【横ばい】だが、堅調な展開と捉えるべき。

 中長期計画も25年3月期の「売上高3086億円、営業利益389億円」に対し、31年3月期は「4150億円、540億円」を掲げている。順調・堅調。総額900億円規模の開発投資を見込んでいるが、ポイントはメディカル(再生医療)事業の「成長ステップ」。25年3月期の売上高248億円を、31年3月期には550億円~650億円を睨んでいる。

 具体的には「開発コード:ADR-001(肝硬変適応のヒト脂肪由来幹細胞)」や、フェーズII段階の変形性関節症の適応製品軟骨細胞キットなど5品目の開発促進。

 日刊薬業によると瀬木社長は再生医療事業の採算性を、主たるターゲット:変形性関節症の患者数が見込めることから「少し時間はかかるだろうが、これまで投資してきた費用は、市場規模からみても十分回収できると思う」としていると言う。

 コア事業のアイケア・スキンケアだけでなく、ロート製薬がメディカル事業に注力する姿勢は興味深い。コアの医療用点眼薬でサイトメガロウイルスがフェーズIII、近視抑制/ドライアイ適応薬がフェーズIIにあるだけになおさらと言える。

 さて、そんなロート製薬の株価投資とどう向き合うべきか。本稿作成中の時価は2000円トビ台。予想税引き後配当利回り1.6%水準。昨秋/昨年末にかけての3500円余水準から右肩下がりの展開。6月6日の年初来安値:1964円から小戻し揉み合いの展開。が過去9年半余の修正済み株価パフォーマンスは70%余。中長期姿勢で臨める投資対象と捉えることもできる。

 IFIS目標平均株は、算出者の6人中4人が「強気」姿勢で、2601円。高自己資本比率61%余は、「メディカル事業軸に投資増」もうかがえる。下値拾い場面と捉えられるが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連記事

最新記事