建築業界で注目を集める、AI駆使の住宅間取り設計:まどりLABO設立の経緯
2025年7月19日 09:44
まどりLABO。AIを中軸に据えた注文住宅の設計を展開する、スタートアップ企業。2025年、東大・東大大学院で建築学を学んだ野口雄人氏により設立された。野口氏は「未だ改良の余地十分」とするが、早くも斯界の注目を集めている。
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野口氏は卒業後にコクヨ(7984、東証プライム市場)でスペースソリューション本部に身を置き、オフィスの内装設計に携わった。(注文)住宅のAI設計を開発・展開する契機は「兄が我が家(注文住宅)を建てるにあたり、設計の相談を受けたことだった」。
何度もミーティングを重ねた。数十回に及んだその執拗さにしびれを切らした?兄上殿は素人ながら、見様見真似で間取りの図面らしきものを手書きで何度も持ち込んできた。だが「建築的に家の間取りとして成り立っていなかった」。
が、野口氏は言う。「家を建てる施主には自分自身で間取りを考えたいという潜在的な欲求が強いことを知った。しかし、それをサポートするサービスがない。ビジネスチャンスと認識した」。
確かに、こんな試算がある。注文住宅業界の市場規模は8兆8000億円規模。注文住宅のマッチング業界市場は、概ねその5%/約4400億円。注文住宅自体は微減傾向にある。
が野口氏は、こう捉え猛烈に意識している。「これまで注文住宅のマッチング業界は、メーカーや工務店による住宅展示場への出展というオフライン施策がメインだった。が、近年ではオンラインでの資料請求がファーストコンタクトになるケースが増えている。変化が起こっている。住宅業界のマッチングマーケットは新たな伸びを示すと考える。そんな市場で中心的な存在になっていきたい」。
建築という世界にその身を置いてきた御仁ならではの、立ち位置と言える。為に、こんな展開を標榜し「まどりLABO」の休まぬ開発を公言している。
「現状でも出力される間取りは現実的だが、法律的建てられる保証はない物の出力もある。確実に保証される間取りを、生成できるものにグレードアップする」
「出力される間取りに熱狂的なファンを作る。為には、ユーザーにより感動的な体験を提供することが必須。それには言語生成AIと画面生成AIを使用して、より直感的な『この家に住みたい』と思わせるようなプロダクトを作っていく」
前記のように「改良の余地あり」。だが建築業界から、現にこんな動きも聞かれている。間取りの自動生成で日本初の機能について、「SaaS的に使いたい」。
注目したい、起業(企業)と言えよう。(記事:千葉明・記事一覧を見る)