新しい八重洲ダイビルが完成、最新の環境技術を結集
2025年6月30日 16:44
商船三井グループのダイビルが建て替え工事を進めていた新しい八重洲ダイビル(東京都中央区京橋)が、完成した。1、2階を商業施設、3階以上をオフィスとし、地下でJR東京駅前の八重洲地下街と直結している。
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新しい八重洲ダイビルは地下3階、地上11階建て延べ約2万3,000平方メートル。2021年に閉館した旧ビルに寄せられた愛着を継承するため、同じ八重洲ダイビルと命名した。
外観は旧ビルと同じ濃色の花こう岩を使用、垂直に伸びる柱の重厚さと柔らかなアーチの優美さを再現している。植栽には旧ビル屋上の樹苑で採取した種子から育てた木を利用した。
地下1階と地上1階にエントランスホールを置き、地下1階に貸会議室、1、2階に商業施設、3~11階にオフィスが入る。オフィスはワンフロア約1,300平方メートルの無柱空間。高い天井と幅2.2メートルのガラス窓で開放的な雰囲気にしている。
太陽光発電設備に加え、高効率熱源と大温度差送水システム、複層ガラス、外気冷房、自然換気システム、画像センサーによる照明・空調制御など最新の環境技術を取り入れた。2カ所の変電所から受電し、停電のリスクを軽減するのをはじめ、非常用発電機を装備し、大規模災害時もオフィスに電力を供給する。使用電力はCO2フリーとする。
住宅・建築SDGsセンターのCASBEEウェルネスオフィス認証の「Sランク」、建築物省エネルギー性能表示制度の「ZEB READY」を取得したほか、米国の建物環境認証システムLEEDで「ゴールド」を取得する予定。
旧ビルは地下5階、地上9階建てで、1967年に完成した。1969年に建築業協会賞を受賞するなど日本のモダン・ムーブメント建築に数えられ、京橋の名物建築物になっていた。(記事:高田泰・記事一覧を見る)