薬局・保育・介護が3本柱:ミアヘルサHDの現状と評価に値する事由

2024年3月13日 09:30

 ミアヘルサホールディングス(東証スタンダード、ミアヘルサHD)。調剤薬局・保育・介護が、事業の3本柱。2021年10月に上場。公開直後の2022年3月期の「売上高195億1000万円、営業利益1億8600万円、17円配」。前3月期「14.0%増収、2.5%営業増益、13円増配30円配」。今3月期も「1.3%減収(220億円)、46.5%営業増益(2億8000万円)」計画。第2四半期開示時点で各事業に関し、こう説明している。

【こちらも】ミアヘルサHDは、上場直後の「修正中計」を積算通りにクリアできるか!?

★医薬事業: 既存・新規出店とも処方箋枚数は順調増。薬価改定の影響も高額処方箋枚数増や、後発医薬品の調剤体制加算強化などで前年同期比3.1%増収、1.3%営業増益となった。第2四半期期末の薬局件数は42店(前年同期比変わらず)。

★介護事業: 構造改革が進んでいる。5事業所の開設の一方で不採算の5事業所を閉鎖。結果、デイサービス等の利用者減に伴う減収。昨年8月に開設した「ホスピス対応型ホーム(定員61名)」の併設サ高住向け、訪問看護など3事業所の先行コストの発生などで利益低迷。8.7%減収/営業損失8500万円。

★保育事業: 認可保育園3園/学童クラブ1か所を開設。22年4月以降に開設した認可保育園の園児増。不採算だった都認証保育園の閉鎖。結果、1.8%増収/19.7%営業増益。第2四半期末時点の事業所数は4事業所増の78。

 そんなミアヘルサHDに覚える「魅力」として、2点指摘しておきたい。

 (I)HIT調剤サービス: HIT(在宅輸液療法)。在宅患者の栄養管理のための、輸液しようの療法。輸液・医療材料を自宅に届け薬剤師が薬の使用状況や、副作用・効果を確認。必要に応じ処方医に処方提案等を行う。

 (II)保育事業のコミュニケーション体制: 子供の入退室時の通知・予約を保護者のスマホで確認できるようなアプリケーションの導入。言い換えれば預けた子供の状況を、常時監視することが可能。

 また株主対策に感じる適宜な施策を1点、付け加えたい。

 本稿作成中の時価は1000円トビ台、予想税引き後配当利回り2.3%強。スタンダード銘柄とはいえ、予想PBR1倍割れに関しては努力が求められる。収益力を高めることが最大のポイントではあるが2.3%強という「好利回り」に加え、ミアヘルサHDの株主優待策に広範な投資家が着目して良いのではないか・・・。

 指摘されている背景等の詳細は省くが野村IRによると、「2023年に株主優待制度を新設・拡充、再開した企業は176社。22年に比べ27社増えた」という。

 ミアヘルサHDが「100株以上200株未満の株主、1000円のQuoカード贈呈」を軸とした優待制度を導入したのは、22年のこと。Quoカードは現金供与に等しい。私が目配りしている範囲では、有配+株主優待実施企業は中長期スパンで捉えると投下資金のパフォーマンスは総じて良好である。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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