異色企業:バローHDの成長を支える、創業者会長:田代氏が内包するDNA

2023年12月16日 11:14

 バローホールディングス(東証・名証プライム)に興味深さを覚える。異色の企業。子会社54社。幅広い事業展開を見せている。スーパーマーケット(2023年11月末時点:319店)を中心にドラッグストア(503店/医院開業支援も手掛ける)・ホームセンター(166店)・スポーツクラブ(178店)・ペットショップ(122店)・惣菜専門店(48)etc、11月末時点で計1341店舗を展開している。

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 今3月期計画「1.6%増収(7720億円)、2.2%営業増益(205億円)、22.3%最終増益(93億円)」と、堅調さを示し続けている。何故?を第2四半期の決算資料を覗くと、「顧客主義」を覚える。

 また今日の同社を考える時、創業者で現会長CEO:田代正美氏の「慧眼」を痛感する。1958年創業のバローHDは、物流システムをスーパー等の出品を担う取引先企業に頼ってきた。が田代氏は「負担だけ強いるのは本末転倒。それでは取扱商品の品揃えにも限界が生じてくる」とし、1991年に自社の物流センターを創設。広く内外からの品揃え体制を敷いた。

 至今3月期の中計で掲げている数値目標は、まさに今期計画そのもの。ぴたりとはまる背景には、3カ年計画当初の設備投資計画の着実な実行が指摘される。「3カ年で約850億円の設備投資を実行。新規店舗投資:40-50%。既存店投資:35%水準。DE推進投資等に15-20%」と定めていた。

 着実な増配路線を歩んでいる。2019年3月期の48円配から2円増配を続け、前期で58円配。今期も2円増配60円配予定(四季報は独自に60~62円は予想)。

 時価2400円出入り、配当利回り2%。年初来高値ゾーンだがIFIS目標平均株価は2760円。過去10年間の修正済み株価パフォーマンスは72%。PBR0.81倍を勘案すると、押し目買い姿勢で臨む価値十分とみたいが・・・

 中計の確実な実行や、明確な配当政策という角度から勘案すると、ニプロ(東証プライム。ディスポーザブル医療機器の大手。かつ人工腎臓に特色)やプリマハム(同)、ジャックス(同。三菱UFJ系信販)にも妙味を覚える。

 かつ「上方修正の公算大」という観点からスポーツ用品専業大手のミズノ(8022)も加えておきたい。前3月期の「22.8%増収、31.1%営業増益、27.9%最終増益」に続き、今期第2四半期も前年同期比「15.4%増収、14.2%営業増益、21.0%最終増益」で通過。期初予想比「51%、62%、71%」の進捗率を示している・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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