新型コロナ対策のソーシャルディスタンス、医療関係者には不十分か 豪米大学の研究
2020年4月23日 20:57
新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、厚生労働省は、密閉空間・密集場所・密接場面が重なる「3密」を避けるよう呼び掛けている。日本に限らず、ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)戦略を採る国は多い。だが人同士の間隔を2メートル開けても、医療関係者にとっては、新型コロナウイルスの感染を予防するのには不十分だという研究が、豪ニューサウスウェールズ大学らによって21日に報告されている。
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■空気中を伝わる微小なウイルス
ニューサウスウェールズ大学と米MITらの研究者から構成されるグループは、飛沫が空気中を移動する水平距離に関する文献を調査した。その結果、症状のある患者からの飛沫感染は、1~2メートルの間隔以内で発生するという想定を科学的証拠は支持していないことが判明した。
研究グループによると、2メートル以上の距離でも飛沫が伝わるという。通常飛沫は自らの重さにより地面に落下するが、小さな飛沫は雲のように空気中に残る。数時間経過すると移動し、飛沫は長い距離を移動できる。新型コロナウイルス感染症(SARS-CoV-2)の場合、患者から最大4メートルの距離にあるウイルスが検出されている。
■新型コロナウイルスを予防するには
ウイルスが作り出す雲は、従来の空気感染と飛沫感染との区別を困難にしている。研究グループによると、新型コロナウイルスの感染予防は、従来の飛沫感染と空気感染の両方の予防が必要だという。飛沫感染に対してはN95等のマスクが、空気感染に対してはグローブやアイマスク、ガウンの着用が、予防に役立つとしている。
世界保健機関(WHO)は現在、COVID-19の予防のために接触感染と飛沫感染の遮断を推奨している。1~2メートルの間隔を開けるルールもWHOによって設定されたものであり、その起源は1930年代にまで遡る。その一方で、米疫病予防管理センター(CDC)は空気感染に対する予防に着手することを推奨した。
研究グループは、COVID-19による医療関係者の致死率の高さなどから、空気感染に対する予防戦略が採用されるべきだとしている。
研究の詳細は、米国感染症学会の学術誌Journal of Infectious Diseasesにて16日付で掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る)
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