何十億光年の彼方で巨大ブラックホールをエネルギー源に明るく輝く天体
2020年1月4日 19:02
地球からはるか彼方遠方の宇宙に輝くブレーザーの放出エネルギー変動に関する論文が、アメリカのハーバード・スミソニアン天体物理学センターによってイギリス王立天文学会の月報で公開された。
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ブレーザーとはクエーサーの一種で、巨大な銀河の中心にある巨大ブラックホールをエネルギー源にして輝く天体を指す。クエーサーは何十億光年もの遠方にあるため、地球上で観測しているのは、何十億年も前の姿である。しかもこの遠さに反して明るいという特徴を持っている。
天文学者たちは銀河の中心にある巨大ブラックホールのことを、Active Galactic Nuclei(AGN)と呼んでいる。日本語に訳せば活動銀河核となるが、以後この記事の中ではAGNと称することにする。
AGNは例外なく、周りから非常に明るい光を発している。この光の源となっているのはAGNの周りを光速に近い速度で回っている荷電粒子である。ブレーザーもAGNの周りで輝く天体であるが、波長が最も短いガンマ線領域の電磁波を発するものを指し、ガンマ線を発しないクエーサーなどとは区別されている。
クエーサーもブレーザーも光を放出する方向に指向性があり、その方向は高速荷電粒子のジェットの放出される方向で決まる。
ブレーザーの特徴は、ジェットのピーク放射線波長が2つあることである。一つは電波からX線領域に達する範囲の荷電粒子の加速によるもので、もう一つはガンマ線領域のものである。これらのピーク周波数やピーク強度の変動は非常に激しく、その原因は謎に包まれている。
スミソニアン天体物理センターでは2013年以降、ペガサス座にあるブレーザーCTA102の継続的観測を実施し、2016年12月には通常の250倍にも及ぶピークを観測した。このようなピーク変動は、高速荷電粒子ジェットの幾何学的方向性変化に起因しているのではないかと考えられている。
AGNには活動が活発なものと、比較的穏やかなものが存在している。ブレーザーはどちらかといえば前者の部類に属するものと考えられているが、いまだに謎のベールに包まれている。
いずれにせよこれらの天体の観測は私たち銀河系の初期の姿を想像し、どのようなメカニズムで現在の姿になったのかを推理する手掛かりとなることは間違いない。
謎の解明を困難にしているのは、AGNの高速荷電粒子ジェットの方向に関して、地球に向いているものが限定されるためでもある。もしもこのジェットがあらゆる方向に向けて放出されていれば、もっと多くのブレーザーの観測が容易にできていたはずである。私たちが観測できるのはたまたま地球のほうを向いてくれていた相性の良いAGNだけなのである。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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