ムール貝が取り込んだマイクロプラスチックはどうなるか 東大などの研究
2019年10月16日 09:09
現在、マイクロプラスチックは大きな環境問題となっている。だが、実のところマイクロプラスチックが海洋生物に及ぼす具体的な影響は未解明の部分が多い。今回の研究は、それぞれ直径の異なるマイクロプラスチックをムール貝に捕食させた場合、どのような過程を経て糞として排出されるかを調べたものである。
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研究に参加しているのは、東京大学大気海洋研究所の金城梓特任研究員、井上広滋教授、東京農工大学農学研究院の水川薫子助教、高田秀重教授ら。
ムール貝というのはムラサキイガイとヨーロッパイガイの食用種としての通称である。両種は外見などでは見分けにくく、混在して流通している。両種合わせて世界的に分布しており、水中の微小なプランクトンなどをエラでこして食べるために化学物質や粒子などを蓄積する性質を持つので、沿岸汚染などの指標としてよく利用されている。
マイクロプラスチックというのは環境下に流出した微小なプラスチック粒子の総称である。一般に、5ミリメートル以下のものを指す。今回の研究では、1ナノメートル、10ナノメートル、90ナノメートルのポリスチレンビーズを利用している。
研究では、飼育下のムール貝を人工海水の容器に入れ、そこにそれぞれのサイズの蛍光を施したポリスチレンビーズを1万5,000個投入して、撹拌しながら3時間放置した。
ムール貝は活発にポルスチレンビーズを捕食した。その後、それらのムール貝の糞を観察したのだが、90ナノメートルのビーズは排出されるのに時間がかかったが、体内に残留するものはなかった。しかし1ナノメートルのビーズは、ほとんどが短期的に排出されたものの、長期的に残りが少しずつ排出されたという。
以上のことから、マイクロプラスチックと一口に言っても、わずかなスケールの差が生理的な反応に差をもたらすということが分かったわけである。
なお研究の詳細は、Marine Pollution Bulletinの149巻に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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