東工大など、生命誕生に関する新たな仮説を提唱
2019年6月24日 08:12
地球で最初の生命はどうやって誕生したのだろうか。この果てしない疑問に関する、いま有力視されている意見の一つが、深海熱水噴出孔で生命は生まれたのではないか、というものである。この仮説は以前からあるものだが、今回紹介するのは、深海熱水噴出孔において硫化金属とメタルの複合体が有機化学反応を促進したことで、生命は発生したのではないか、という新説である。
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研究グループに参加しているのは、東京工業大学地球生命研究所(以下ELSI)の北台紀夫アフィリエイトサイエンティスト(兼JAMSTEC研究員)、中村龍平教授(兼理化学研究所環境資源科学研究センターチームリーダー)、物質理工学院 応用化学系の吉田尚弘教授(ELSI主任研究者)、JAMSTECの山本正浩研究員、高井研分野長(兼 ELSIフェロー)、イリノイ大学の大野克嗣教授らである。
深海熱水噴出孔というのは、文字通り深海にある、地熱で熱せられた水が噴出する孔のことである。重金属や硫化水素を大量に含み、ここでは紹介しきれないが、それ自体で興味深い独特の生命相が発達していたりもする。
これも仮説ではあるのだが、有機物である生命の誕生には触媒となる金属が重要な役割を果たしていたのではないか、という考え方がある。今回の研究もそれに基づくものである。
研究グループは、初期海洋底の熱水噴出孔の環境を電位的に再現した反応容器を作成した。すると結果として、鉄、銅、鉛、銀などの硫化物が、数時間から数日というタイムスパンで電気還元されて金属になることが確認されたという。
また、生命発生に不可欠な化学反応の一つである逆クエン酸回路内一部の反応を、実験環境内で生じた硫化鉄と金属鉄の複合体が促進することも発見されたとのことだ。
研究の詳細は、Science Advances誌の電子版に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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