世界初、窒素ガスと水からアンモニアを合成 東大の研究
2019年4月26日 09:21
肥料として重要なアンモニアは、窒素と水素の原子からなる。大気成分の8割を占める窒素と、地球上には豊富に存在する水を構成する水素であるから、これをそのまま肥料に変換することができればという話であるのだが、実際にはことはそんなに簡単ではなかった。しかし今回、東京大学の研究グループは、世界で初めて窒素ガスと水のみから、常温・常圧下で、モリブデン錯体触媒を用いてアンモニアを合成することに成功したと発表した。
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研究グループに参加しているのは、東京大学大学院工学系研究科のシステム創成学専攻 芦田裕也氏(博士課程)、荒芝和也特任主任研究員、西林仁昭教授、研究科エネルギー・資源フロンティアセンター中島一成准教授ら。
現代の世界において、アンモニアはハーバー・ボッシュ法と呼ばれる手法によって生産されている。窒素ガスと水素ガスをアンモニアとして合成するのであるが、高温・高圧の環境が必要であることに加え、水素ガスは石炭や天然ガスなどの化石燃料に由来するものであり、人類社会のエネルギー収支の問題を考える上で重要な障壁が存在していた。
今回の研究は、有機合成化学反応に広く用いられるヨウ化サマリウムを還元剤として用いた点に特色がある。アルコールや水をプロトン源として組み合わせ、これまでに開発されてきたモリブデン錯体を触媒として用いると、従来の10倍、触媒1分子あたり4,000分子のアンモニアを合成することに成功したという。反応速度も、従来の100倍に達する。
研究の詳細は、Natureのオンライン版で公開されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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