NASA、銀河の中心を超高解像度視覚化 迫力ある星の映像

2019年3月24日 16:14

 NASAは、チャンドラX線天文台のデータを使ったスーパーコンピュータのシミュレーションにより、天の川銀河の中心を視野360度で視覚化した映像を公開した。

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■銀河中心の超高解像度視覚化

 この動画は、2018年1月にリリースされた銀河中心を視覚化するプロジェクトの「続き」だ。

 今回の新しいバージョンは、チャンドラが超大質量ブラックホールの周りのエリアをX線で観測した詳細データを使用している。ユーザーは銀河系の中心にある巨大ブラックホール(いて座A*)の視点に立って、周辺のあらゆる方向を見て回ることが出来る。

 多くの巨星からガスが流れ出してブラックホールに吸い込まれていく様子や、ガスの塊が他の星から出てきたガスと衝突するシーン、そしてブラックホールの周りをガスが激しく回転してX線を放射する場面などがリアルに描かれている。

■銀河の中心にある巨大ブラックホール

 銀河系の中心は地球から見ると天の川が最も濃く見えるいて座の方向にあり、地球からの距離は約2万6000光年。銀河系の中心付近には多くの星が密集しているが、その運動の様子から見えない天体の影響を受けていることがわかる。

 その天体の質量は太陽のおよそ370万倍、大きさは冥王星の軌道程度。これはブラックホールとしか考えられない。この巨大ブラックホールは「いて座A*」と呼ばれている。

■動画の楽しみ方

 動画はYouTubeで公開されており、画面の1点をドラッグすることで、(単なるスクロールではなく)前後・左右・上下を表示できる。仮想現実(VR)ゴーグルを使えばより理想的だという。

○動画の色の意味
青:1千万度の熱いガス(密度=低)からのX線放射
赤:1万度の冷たいガス(密度=中)からの紫外線放射
黄:冷たいガス(密度=高い)(記事:創造情報研究所・記事一覧を見る

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