「みなおか」「めちゃイケ」が終了、業界の常識を破った2大バラエティ
2018年4月3日 19:08
■平成の2大バラエティに幕
3月といえば卒業や退職、異動のシーズンだが、テレビ業界でいえば改変期である。ここ数年は苦境に立たされているフジテレビだが、そのフジを支えてきたと言っても過言ではない「とんねるずのみなさんのおかげでした」と「めちゃ×2イケてるッ!」が終了となった。
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この2つの番組はお茶の間を沸かしてきたバラエティ番組。見たことはなくとも名前は聞いたことがある人も多いのではないかという番組だ。少しテレビでおかしいことをすれば苦情が入ると言われる時代だが、テレビは本当につまらなくなったのだろうか。
■バラエティの形を確立した「めちゃイケ」
「めちゃ×2イケてるッ!」はフジテレビ系にて土曜夜に20年以上も放送が続いたバラエティ番組。元々は「とぶくすり」という番組から成長したのが「めちゃイケ」だが、過去に同じ枠で「オレたちひょうきん族」、「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!」、「8時だョ!全員集合」という名だたるバラエティ達も20年を超えることはなかった。その中で22年も同じ時間帯にてバラエティを続けてきたことを考えると、「めちゃイケ」のすごさがこれだけでもわかる。
「めちゃイケ」はナインティナインを中心によゐこや極楽とんぼ、オアシスが出演。さらには鈴木紗理奈や雛形あきこなどお笑い以外の芸能人も参加してさまざまな企画を続けてきた。抜き打ちテストや岡村隆史のオファーシリーズ、さらには爆裂お父さんなど多くの名物企画を生み出し、平成を生きてきた人ならば一度は耳にしただろう。
「めちゃイケ」は若手芸人たちだけで番組を作り、それを育てることでゴールデン帯でもしっかり見られる芸人へと進化していった。この形は次第にフジテレビの黄金式となり、「はねるのトびら」や「ピカルの定理」が生まれていった。しかし、どの番組も「めちゃイケ」を超えることはできず、バラエティの中で燦然と輝く番組として名を遺すことになるだろう。
■一時代を築いたとんねるず
「めちゃイケ」よりも一昔前からフジテレビを支えてきたのがとんねるずだ。バブル期を象徴するような芸人で、とにかくハチャメチャなことをやり続けることで多くの人の興味・関心を惹いてきた。特に、過去には有名人のPVパロディや映画を模したコントなどを行い、そのクオリティで多くの人を笑いの渦に巻き込んだ。
しかし、とんねるずの最大の強みは「素人いじり」だろう。最終回近くになって頻繁に行われた素人のお宅訪問では、実際にとんねるずが応募されたお便りのお題を解決するため、アポなし訪問をするというもの。アポなしのため素人の人たちは本当に驚くも、とんねるずはそれをしり目に豪快に問題を解決。これほどのパワープレイが許される芸能人も、とんねるずを他において類を見ないだろう。
そして、最終回でも触れられたがとんねるずは歌手としての一面も持つ。ラストにはヒット曲の「情けねえ」を熱唱し、その一部をテレビへの恩返しと批判ばかりする人たちへの皮肉に取れる歌詞に変更。最後まで世間に抗い、芸人として立ち続けたのがわかるラストであり、ファンでなくとも見入ってしまう内容だった。
■今後バラエティはつまらなくなる?
多くのファンを獲得した「めちゃイケ」と「おかげでした」だが、人気の一方でどちらもクレームや批判が多かった番組でもある。それだけ挑戦し続けた証なのだが、やはり時代に合わないというのは否めないかもしれない。
だが、批判やクレームばかり気にして面白いものができるか。恐らくそれはノーだろう。クレームにより萎縮した結果、バラエティはさほどどれも変わらない内容のものが多くなっているのは事実である。今回の番組終了を受け、個人的にはただ批判精神を鍛えるのではなく、もっと寛容になる必要があるのではないかと感じざるを得ない。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る)