週刊ダイヤモンド今週号より~夢の再生医療にも落とし穴、自由診療の罠に迫る

2013年8月26日 08:00


*08:00JST 週刊ダイヤモンド今週号より~夢の再生医療にも落とし穴、自由診療の罠に迫る
今週号の週刊ダイヤモンドでは、再生医療や補完・代替医療、アンチエイジング、遺伝子診断など人気の高い医療に焦点を当て、その“罠”について迫っています。自由診療の実態は玉石混合で、怪しい科学的根拠や広告宣伝のまやかしなどが氾濫。記事はそうした医療法の信頼度や費用などを徹底検証しています。

京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞でノーベル生理学・医学賞を受賞して以来、にわかに再生医療に注目が集まっています。例えば、幹細胞を使った再生医療では傷ついた細胞を取り替えたり、失った細胞を補完することが可能です。

この分野には日本企業も積極的に進出しており、パナソニック<6752>傘下のパナソニックヘルスケアは細胞加工施設、セルプロセッシング・アイソレーター、インキュベーター、安全キャビネット、フリーザーなど複数分野で事業を展開しています。

このほか、自動培養装置ではカネカ<4118>、川崎重工業<7012>、日立製作所<6501>など、顕微鏡ではオリンパス<7733>、ニコン<7731>、横河電機<6841>などが参入。ロート製薬<4527>が再生医療ベンチャーであるシームスへの出資を決定したとき、事情を知る関係者は「そんな会社にロートが出資するのか」と驚かれたとか。それほど魅力の高い“夢の新技術”に大手企業が触手を伸ばしています。

とはいえ、自由診療の第1の罠は怪しい科学的根拠。特集によると、権威ある学者が推奨する治療法について、科学的信頼度は“最低ランク”だそうです。例えば、代表的な健康食品に挙げられる「アガリクス」「サメ軟骨」「フコダイン」「プロポリス」「メシマコブ」——これらは人で有効性が証明されたケースはありません。

第2の罠として記事が指摘するのが誇大広告。中でも美容クリニックの世界ではインパクトの強いテレビCMや情報量満載のホームページ、過剰なマーケティングで攻めの営業を繰り返す姿勢などが跋扈(ばっこ)しているようです。例えば○○クリニックの広告で費用が明記されているとします。ただ、これは最小単位のコストで、実際に治療すると多量の薬剤が必要で高額費用が発生するケースもあると記事は指摘しています。《NT》

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