【アナリストの眼】アイセイ薬局株価は下値固め終える、M&A戦略等で店舗拡大好調

2012年11月28日 10:52

<業績&株価分析>

  関東や東海を中心に調剤薬局チェーンを展開するアイセイ薬局 <3170> (JQS)に注目したい。株価は直近安値圏で下値固めが完了し、強基調へ転換の動きを見せている。

  11月12日発表の今期・第2四半期累計(4~9月期)の連結業績は、売上高が前年同期比12.8%増、営業利益が同37.8%減、経常利益が同38.8%減、純利益が同63.3%減の増収減益だった。11月8日に上方修正を発表しており、主力の調剤薬局事業で店舗展開が順調に推移したことに加えて、事業承継やM&Aも寄与して増収だった。利益面については、増収効果に加えて費用の一部が下期にズレ込んだこともあり、減益幅が前回予想に比べて縮小した。なお第2四半期末の店舗数は233店舗となり、前期末に比べて19店舗増加した。

  通期見通しについては前回予想を据え置き、売上高が前期比11.1%増、営業利益が同5.2%増、経常利益が同2.1%増、純利益が同6.3%増の増収増益見込みとしている。通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.1%、営業利益が25.0%、経常利益が26.1%、純利益が16.0%だが、インフルエンザや花粉症の流行と治療が下期に集中する季節要因を考慮すれば、達成可能な見通しだろう。

  株価の動きを見ると、9月の戻り高値圏から反落後はやや軟調展開となり、11月15日には直近安値となる1873円まで調整する場面があった。しかしこの安値をボトムとして反発し、足元では2200円近辺まで戻している。今期業績見通しを警戒する売りが一巡したようだ。27日の終値2200円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS368円13銭で算出)は6倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間55円50銭で算出)は2.5%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPSに株式分割を考慮した1587円73銭で算出)は1.4倍近辺となる。

  週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面だが、安値圏の2000円近辺が下値支持線の形となった。また日足チャートで見ると11月15日の安値で下ヒゲを付けて反発し、25日移動平均線近辺まで戻して強基調へ転換の動きを見せている。暖冬予想から一転して厳冬予想となり、インフルエンザ流行に対する思惑なども材料視されるだろう。出直り展開が期待されそうだ。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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