イラン、米中間選挙結果を「反戦の審判」と歓迎―トランプ氏は「ガソリン価格が原因」と反論

2026年11月5日 10:41

 イランのモハンマドバゲル・ガリバフ国会議長は4日、米中間選挙での民主党の圧勝を歓迎し、選挙結果は米国民がドナルド・トランプ大統領による対イラン戦争を拒否したことを示すものだと主張した。

 ガリバフ議長はX(旧ツイッター)に「良心からか、生活費のためか、米国民は戦争にノーと言った。われわれはこのメッセージを支持する」と投稿した。

 米国との交渉に携わってきたガリバフ議長は、米政府に対しても警告を発した。同議長は、米政府が国民の意思に背き、同議長が「国際的な黒幕や恐喝者」と呼ぶ勢力に奉仕するのであれば、イランの「ノー」には「悪夢」が伴うことを思い知るだろうと述べた。

 今回の発言は、共和党が大敗し、民主党が上下両院の過半数を獲得したことを受けたもの。民主党は、数十年にわたり共和党が勝利してきた州でも勝利を収めた。

■有権者の約6割が対イラン攻撃は「誤り」

 10万人超の有権者を対象としたAP通信の出口調査「APボーター・ポール」によると、約6割が米国によるイラン攻撃は「誤った判断」だったと回答した。また、約3分の1が、戦争は連邦議会選挙での投票に「決定的」な要因だったと答えた。

 ただ、戦争は有権者にとって最大の関心事ではなかった。約4割が経済を国の最も重要な課題に挙げ、約半数が生活費と政府の腐敗を投票の「決定的」な要因だったと回答した。

 選挙前にAP通信とシカゴ大学全米世論調査センター(NORC)が10月8〜12日に実施した世論調査では、登録有権者の64%がイランとの戦争を投票する上で最も重要な課題の一つに挙げた。経済を挙げた割合は85%と、これを上回った。

■トランプ氏「戦争ではなくガソリン価格」

 一方、トランプ大統領はガリバフ議長の選挙結果の解釈を否定した。

 トランプ氏は開票結果が判明し始めた3日夜、米FOXニュースの電話インタビューで「戦争が原因だとは思わない。ガソリン価格だと思う」と述べた。

 トランプ氏は、米国民はイランに対する軍事作戦を支持しているものの、燃料代の上昇には不満を抱いていると主張した。同氏は価格上昇を軍事行動に伴う一時的な影響だと説明した。

 戦争は2月28日の米国とイスラエルによるイラン攻撃で始まり、原油輸送の混乱を招いてエネルギー価格を押し上げた。AP通信が報じた米国防総省の試算によると、米国の戦費は10月16日時点で推計471億ドル(約7兆4400億円)に達した。

■民主党、軍事判断への監視を強化へ

 1月3日に新議会が発足すると、民主党はトランプ氏の軍事判断に対する監視権限を強める。議会の委員会を掌握することで、公聴会の開催、文書の提出要求、戦費の調査が可能になる。

 民主党は追加の戦費支出に制限を設けることや、軍事作戦に異議を唱える法案を採決にかけることも目指す可能性がある。ただし、こうした法案には大統領が拒否権を行使する可能性があり、民主党がこれを覆すには議会で十分な支持を得る必要がある。

 トランプ氏は、選挙結果を受けて追加攻撃の命令を控える姿勢を示していない。同氏はFOXニュースのインタビューで、イランが協力しない場合は追加の軍事行動も選択肢として残るとする一方、合意の可能性にも引き続き含みを持たせた。

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