米有権者で世論調査に不信感―トランプ氏支持層で顕著=POLITICO調査
2026年11月3日 10:38
米国民の多くが世論調査に深い不信感を抱いたまま中間選挙を迎えようとしていることが、米政治専門メディアPOLITICOの最新世論調査で分かった。政治世論調査が票を正確に見積もっていると考える人は25%にとどまった。一方で、不利な調査結果が出れば投票に行く意欲が高まると答えた人も多く、不信感が無関心につながっているわけではない。
世論調査の数字は選挙戦略や資金集め、選挙結果への世間の予想を左右する。今回の結果は、その業界が信頼性の問題を抱えていることを浮き彫りにした。
調査は英PFグローバルが10月24〜27日に米国の成人2,083人を対象にオンラインで実施した。全体の誤差は±2ポイント。回答者の約25%は、11月の選挙で民主党の大勝を示す世論調査は誤りで、主要な選挙区では共和党が勝つと予想した。
■党派を超えて広がる疑念
調査では41%が、世論調査は民主党か共和党のどちらかの支持を過小評価する傾向があると答え、疑念が党派を超えて広がっていることが示された。2024年の大統領選でドナルド・トランプ大統領に投票した人の中では、約40%が世論調査は共和党の支持を過小評価していると回答した。
トランプ氏に投票した人のうち、自らを「MAGA共和党員」と位置づける層では疑念がさらに強い。民主党が主要な選挙区で勝つとする世論調査は誤りだと答えた人は、回答者全体では約25%だったのに対し、この層では約60%に上った。それ以外のトランプ氏投票者では約33%だった。
注目の選挙戦で接戦が強まるなか、共和党指導部もこうした疑念を後押ししている。POLITICOによると、マイク・ジョンソン下院議長はFOXニュースで、世論調査は「全米の共和党の熱意を大幅に過小評価している」と述べた。
トランプ氏は世論調査を「フェイク」「不正操作されている」と批判し、JD・バンス副大統領も不利な調査結果は共和党支持者の投票意欲をそぐ可能性があると主張している。ただ、懐疑的な見方は民主党側にもみられる。カマラ・ハリス前副大統領に投票した人の3分の1弱が、世論調査は民主党の支持を過小評価する傾向があると答えた。
■予測の外れや捏造調査が信頼を損なう
予測の誤りや捏造された調査も、業界の信頼性を揺るがしている。POLITICOは民主党予備選での予測の外れを例に挙げた。ミシガン州上院選の民主党予備選では、アブドゥル・エルサイード氏が最終的に勝利したものの、得票差は約1ポイントにとどまり、事前の調査は差を大きく見積もりすぎていた。
同報道によると、調査会社ウェッジウッド・ポールズは世論調査データの検証を行うフィフティプラスワンの追及を受け、複数の民主党予備選に関する調査で偽のデータを使用していたことを認めた。また別の団体は、検証を経ていない数字がどのように広まるかを試すため、ロサンゼルス市長選に関する偽の世論調査を公表していた。
回答者が考えを変えることも、問題を複雑にしている。調査では5人に1人が、世論調査で答えた投票意向と実際の投票行動が異なったことがあると回答した。
■予測への信頼も限定的
世論調査は特定の時期の世論を測るものであるのに対し、選挙予測は世論調査に加え、場合によってはその他の情報も用いて結果を推計する。こうした予測に対する信頼も限られていた。選挙結果を正しく予測するうえで、世論調査に基づく予測を予測市場より信頼すると答えた人は18%にとどまり、予測市場の方を信頼するとした12%をわずかに上回るにすぎなかった。どちらも信頼しないとの回答は3分の1に上った。
それでも、世論調査が投票行動を促す可能性はある。支持する候補が大きく劣勢だと調査で示された場合、「必ず」投票に行くと答えた人は約55%に上った。世論調査が自党を過小評価していると考える共和党の中間選挙投票者では、この割合が約75%に達した。