【松井秀喜監督の経済効果】巨人復帰で動く巨大市場――恩恵を受ける関連3銘柄は

2026年11月2日 15:53

■観客286万人の集客力、東京ドーム・動画配信・広告に広がる「ゴジラ効果」を検証

 プロ野球・巨人の新監督に松井秀喜氏(52)が就任した。10月23日の会見で発表され、契約は3年、背番号は恩師・長嶋茂雄氏が監督時代に着けた「90」。2002年オフに巨人を離れ、米大リーグでも活躍した日米通算507本塁打の「ゴジラ」が、今度は指揮官として古巣に戻る。今季2位に終わり、クライマックスシリーズでも敗退したチームの再建を担う。

 10月30日に始まった秋季キャンプには初日から3000人近くが集まり、翌31日は2会場で約7000人が来場した。新体制には高橋由伸氏がヘッドコーチ、清水隆行氏が打撃チーフコーチとして加わる。かつての主力選手が首脳陣として再結集することも話題だ。監督としての手腕は未知数だが、就任直後からファンを動かす存在感を示している。

■観客286万人、集客力を収益に変える仕組み

 経済面で注目したいのは、監督交代による関心の高まりを継続的な消費につなげられるかという点だ。日本野球機構によると、2026年の巨人主催公式戦は72試合で計286万2832人、1試合平均3万9762人を動員した。すでに高水準の集客を背景に、今後は観客数だけでなく、グッズや飲食などの客単価、放送・配信サービスの利用拡大も重要となる。球団は松井監督の背番号「90」のレプリカユニホームを1万7000円、タオルを2000円で受注販売している。

 仮に主催試合の延べ入場者1人当たりの関連消費が100円増えれば、年間約2億8600万円の追加需要に相当する計算だ。実際の増収を示すものではないが、大規模な観客基盤を持つ球団では、少額の消費拡大でも一定の経済効果を生み得ることが分かる。

■東京ドーム、動画配信、広告に広がる商機

 関連銘柄では、三井不動産<8801>(東証プライム)が注目対象となる。同社グループは東京ドームシティを運営しており、巨人戦を契機とする飲食、商業、宿泊などの施設利用が増えれば、収益機会の拡大につながる余地がある。ただし、球団の入場料収入がそのまま同社の売上高になるわけではなく、施設全体への波及を見極める必要がある。

 日本テレビホールディングス<9404>(東証プライム)は映像分野で接点を持つ。傘下の日本テレビは読売新聞社、巨人軍と公式動画配信サービス「GIANTS TV」を共同展開。2026年には同サービスの視聴クーポンを株主優待に追加した。松井監督への関心が中継視聴や有料配信の契約拡大につながるかが焦点となる。

 松井証券<8628>(東証プライム)は、松井氏を起用した新CMを10月19日に公開した。監督就任を受け、直筆サインボールのプレゼント当選枠を5人から10人へ拡大。知名度の高い広告出演者の話題性を販促に結びつけた事例といえる。ただし、球団関連事業による直接的な収益拡大とは区別する必要がある。

 松井巨人の誕生は、スポーツを核とする消費、映像コンテンツ、企業広告の価値を改めて考える契機となった。しかし、監督の人気が企業業績や株価の上昇を保証するわけではない。勝率の向上とともに、客単価、配信契約、広告効果などがどう変化するか。球場を包む熱気を持続的な収益へ転換できるかが、「ゴジラ効果」の真価を測る物差しとなる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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